<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ヒミコ
性別:女
年齢:48
プロフィール:小学生の子ども2人と同い年の夫がいるパート主婦。
72歳の母は結婚当初から舅と姑、私にとっては祖父母と同居でした。
私は祖父母と暮らせて楽しかったですが、祖母はとても気が強く、息子である父のことが大好きでいつも息子びいき。
祖父は優しかったのですが気が弱く、いつも祖母のいいなり。
母はいつも大変そうで、本当によくやったと思います。
父は祖父母のことを母にまかせっきりだったにもかかわらず、介護施設に入所させるのは反対でしたし、祖父母自身も嫌がったので、ずっと自宅で世話をしていました。
それに加え、晩年の祖父はアルツハイマー型認知症を発症し、介護施設に入るまでは家族で世話をしていました。
そして祖母はなんと101歳まで生きて、先日他界しました。
母は祖母を病院へ連れて行ったり身の回りの世話をしたり、施設に入っていた最後の数年間も、週に3回は訪問していました。
そんな母が祖母が他界して遺品の整理が終わった途端、「今から老後を楽しむぞー!」と宣言しました。
習い事をし、レストランや映画に行きたがり、旅行へ行きたがり、人生を謳歌し始めました。
コロナで世の中が大変な時ですが、感染対策はちゃんとするからといってわがままばかりで聞きません。
手作りのド派手な柄のマスクをつけて楽し気です。
今まで介護ばかりの生活だったので、これからは楽しんでくれたら嬉しいというのが嘘偽りのない本音です。
しかし、1人で、もしくは父と夫婦水入らず楽しめばよいのに、私達を巻き込むのが厄介です。
私や姉に車を出すように命令し、パソコンを教えろと命令し、テレビで紹介されていた話題のスイーツ店に行きたいと駄々をこねます。
「介護を頑張ったんだから、今度はあんたたちが親孝行として頑張りなさいよ!」
私達が渋ると苦労話を持ち出し、断りづらくするのです。
77歳の父はそんな母の付き合いをする体力も気力もなく、ターゲットは娘たちです。
母は72歳でやっと自由の身となった訳ですが、友だちとも疎遠になっていますし、自由にお出かけするのも慣れていません。
私と姉が頼りのようで、何かと連絡がきて連れ出そうとします。
ただ私も子どもの教育費を少しでも稼ぐためにパートを頑張っているので、休みの日はゆっくり過ごしたいです。
親孝行として母娘で楽しくお出かけできればいいのですが、話すことといえばお決まりの苦労話ばかりです。
自分がどれだけ我慢してきたか、祖母にされた意地悪の話など、同じ話を繰り返し延々と話しています。
体は元気そうですが、このわがままぶりだけでなく同じ話を何度もされると不安になり、母も認知症が始まったのでは!? と姉とこっそり話しています...。
もしかしたら、介護の番が私たちに回ってきたのかもしれません。
関連の体験記:「最初からあなたたち母娘は嫌いだったのよ!」義母からの侮辱に「涙する母」を見て...心が崩れた私
関連の体験記:「俺が迎えた嫁じゃけん、誰にも何も言わせんから」私の無茶な願いを背負ってくれた夫に涙が...
関連の体験記:ついに訪れた近距離介護の限界...。和やかに過ごした最後の夜と、バスであふれ出た涙/石塚ワカメ
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。