「健康のためには歩いた方がいい」とはよく聞きますが、実際にはどのようないい効果があるか、また具体的にどのように歩けばよいかご存じですか? 今回は医師の大谷義夫先生に「歩くこと」が体と心にもたらす影響や実際に歩く際のヒントをうかがいました。
この記事は月刊誌『毎日が発見』2024年4月号に掲載の情報です。
歩けば心身と脳が元気になることが医学的に証明
「健康のために歩きましょう」とよくいわれますが、それには多くの科学的根拠があります。
「アメリカ国立がん研究所の調査によると、多く歩く人は、歩かない人より死亡率が低いことが分かっています」と、大谷義夫先生。
また、歩くことは体だけでなく、心と脳に良い影響をもたらすことにも、大谷先生は注目しています。
「歩くと自律神経のバランスが整ってストレス解消につながり、うつ病などにも効果があることが証明されています。加えて、脳も活性化し、認知機能も改善します」
歩くことにより体・心・脳が元気になれば、寝たきりの原因となる脳卒中や認知症、フレイル(※)などのリスクを下げることができ、一生歩ける可能性が高まります。
「健康維持には、激しい運動ではなく、ウォーキングのような軽い運動が効果的という科学的根拠もあります。まずは座りっぱなしをやめ、少しずつ歩いてみましょう」
※フレイル...加齢により筋力や心身の活力が低下し、虚弱になった状態。放置すると要介護につながる危険が高まります。
歩いて不調を改善
歩くことにより肥満解消はもちろん、血管や筋肉、免疫力など全身の機能が向上。あらゆる病気の改善を促します。
歩くと不安が和らぎ、ストレスホルモンといわれる「コルチゾール」が減少することが科学的に証明されています。
歩くことは体だけでなく、脳も活性化させます。発想力や創造力を豊かにする他、認知症の予防も期待できます。