耐久性に優れたコスパ最強構造は「木造」!? 鉄骨造、RC構造、木造のメリット・デメリットの比較結果

断熱性を高めるWB工法は湿気対策にもなる

実は木造の耐久性を高める方法についてはすでに解説しました。耐震性、断熱性の追求が耐久性を高めることにつながるのです。それぞれ等級が高い家づくりにすれば長持ちします。あとは湿気対策が重要になります。断熱性のところでも出てきたWB工法が湿気を解決してくれます。

床断熱をしたうえで基礎の立ち上がりの外周部も断熱する工法のため、基礎から床までの空間も一定温度に保たれます。湿度の高い夏場は、床下の通気量が多くなるため湿気がこもりません。その環境ではシロアリの発生もなし。1万戸以上が建てられてきましたが、1戸たりともシロアリは見つかっていません。メンテナンスをしやすいという特性もあります。ただし、高い施工レベルが必要であることも忘れないでください。

実は耐震性、断熱性、耐久性はセットで考えなければなりません。それぞれが必要とする建材の組み合わせと施工方法がとても重要になるからです。

また木造の耐久性が低いとはいいきれません。法隆寺は1400年保っていますからね。重要なのは構造と施工方法。一方でローコストでつくった木造住宅はデメリットが如実に現れます。繰り返しになりますが、高性能住宅に限ってデメリットが解消され、さまざまなメリットの恩恵を受けられるのです。

補足になりますが、RC構造も漏水対策をしていないと鉄筋が錆(さ)びて耐久性が落ちる側面もあります。

どの構造においても適切な手を打っておかなければ長持ちする保証はないわけです。

耐久性に優れたコスパ最強構造は「木造」!? 鉄骨造、RC構造、木造のメリット・デメリットの比較結果 sumaitaizen_p123.jpg

 

平松明展
平松建築株式会社代表取締役。建築歴23年。19歳から大工として10年間で100軒以上の住宅を解体、修繕し、住宅の性能の特徴を理解する。2009年創業。会社経営を行いながらもドイツを訪れて省エネ住宅を学ぶほか、地震後の現地取材を行い、気候風土に合った家づくりの研究を行う。YouTube チャンネル「職人社長の家づくり工務店」(登録者数は9万人以上)も配信中。

※本記事は平松明展著の書籍『住まい大全 ずっと快適な家の選び方、つくり方、暮らし方』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。

この記事に関連する「暮らし」のキーワード

PAGE TOP