火事や感電から住人を守れ! 守護神「ブレーカー」/すごい技術

pixta_25385816_S.jpg私たちは毎日身のまわりの「便利なモノ」のおかげで快適に暮らしています。でもそれらがどういう仕組みなのか、よく知らないままにお付き合いしていませんか?

身近なモノに秘められた"感動もの"の技術を、書籍『身のまわりのすごい技術大百科』がわかりやすく解説します!

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●ブレーカー

自宅に設置された分電盤(ぶんでんばん)を見てみよう。その中には、3種のブレーカーが収まっている。かつてそこには、ヒューズがあった。

近年は、電気の使い過ぎで家が火事になったという話をほとんど聞かない。また、感電して人が亡くなるという事故もあまりない。これは日夜、分電盤上で、ブレーカーが電気を"監視"してくれているおかげだ。電気を使い過ぎたり、人が感電したりすると、ブレーカーが落ちてくれる。しかし、この"安全の守護神"のしくみは意外と知られていない。

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分電盤には、ブレーカーとして、アンペアブレーカー、安全ブレーカー、漏電(ろうでん)ブレーカーの3種がある。

アンペアブレーカーはサービスブレーカーとも呼ばれ、契約以上の電気が流れると自動的に電気を止める。

安全ブレーカーは配線用遮断器とも呼ばれる。分電盤から各部屋へ電気を送る屋内配線に取り付けられており、許容電流(普通は20アンペア)を超えると自動的に電気を止める。

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ブレーカーのしくみには、熱動式電磁式の2種の方法がある。熱動式とは、コタツの温度調整にも使われるバイメタルを利用する。電流が流れ過ぎると熱を帯び、その熱を検知して電流を切る。電磁式は電磁石を利用する。大きな電流が流れると磁力が増し、その力で電流を切る。

漏電ブレーカーは、漏電遮断器とも呼ばれる。漏電とは、屋内配線や電気器具から電気が漏れることだ。例えば、配線や電気製品の部品が傷んでいたりして起こる。漏電ブレーカーはこの漏電を素早く感知し、自動的に電気を遮断する。

漏電ブレーカーは、屋内配線の大元を磁性体のリングにくぐらせた装置である。漏電がなければ、配線の出入りはトータルで0であり、全体としてリングに電気は流れない。しかし、漏電が発生すると、行きの電流よりも帰りの電流が少なくなり、トータルとして、リングに電気が流れる。すると、電磁誘導現象が生まれ、リングに巻いたコイルに電流が流れる。

この電流を増幅して電磁石を作り、その力でスイッチを切るのである。

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涌井良幸(わくい・よしゆき)

1950年、東京都生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)数学科を卒業後、千葉県立高等学校の教職に就く。教職退職後の現在は著作活動に専念している。貞美の実兄。


涌井貞美(わくいさだみ)

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。現在は書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。良幸の実弟。


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『身のまわりのすごい技術大百科』

(涌井良幸・涌井貞美/KADOKAWA)

身近なモノに秘められた“感動もの”の技術、一挙解説! 身近な文具から、便利すぎるハイテク機器まで…あれもこれも、すべて「科学技術」の結晶なのです。日ごろよく使う「モノ」の“すごい技術”を図解でわかりやすく解説します。

この記事は書籍『身のまわりのすごい技術大百科』からの抜粋です

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