88歳のプログラマー若宮正子さん流「正しく知って正しく怖がる」

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ICTエバンジェリスト(伝道者)で「世界最高齢プログラマー」と称される若宮正子さん。

88歳の今もなお、毎月の半分以上は全国へ講演会に出かけ、そのスケジュール管理から切符の手配までワンオペでこなしています。世界中の人とインターネットを通じて意見交換しながら好奇心旺盛に日々を過ごす若宮さん初めての人生読本『昨日までと違う自分になる』(KADOKAWA)より、一部抜粋してご紹介します。

【前回】 コピペじゃない生き方をしよう

正しく知って正しく怖がる

国連で「幸福度調査」、いわゆるウェルビーイングというものについて調べた数字がありますけれど、日本は146か国中54位なんだそうです。そして、トップテンには北欧が5か国入っていますね(2022年調査)。
講演会などで、「皆さん、この54位っていう数字をどう思いますか? もっと私たちは幸せだと思う人は手を挙げてください」って言うと、手を挙げる人は非常に少ないんですね。
逆に「54位どころじゃない。もっともっと私たちは不幸せだと思ってらっしゃる方は?」と聞くと、たくさん手が挙がるんです。

だけど外国人からは、日本人はとても幸せなんじゃないかと思われています。そのギャップがすごいですね。
日本のメディアや世間では、生きにくいと散々言われているんですが、外国人に言わせると、「そんなに自分の国が楽しくないなら、大学だって就職だって他の国に行けばいいのに。どうして日本から出ていかないのかしらね」って(笑)。
だから幸せって何だろうなと思ってしまいます。

私が最近訪ねたエストニアは電子政府先進国で情報立国を目指していて、国全体のITレベルがすごく高いんですね。そういう国で高齢者がどうやって対応しておられるのかということを見に行ったわけです。
現地でWindowsの英語版のパソコンを30台貸していただいて、エクセルアートでうちわを作るワークショップを開きましたら、参加してくださったお孫さんとご一緒のおばあちゃんたちはシャカシャカと見事にやっておられて、なるほどさすがだなと思いました。

 

若宮正子(わかみや・まさこ)
1935年東京生まれ。東京教育大学附属高等学校(現・筑波大学附属高等学校)卒業後、三菱銀行に入社。58歳頃に好奇心でパソコンを買う。エクセルと手芸を融合した「エクセルアート」創始者。2016年にはアプリの開発を始め、17年に米国アップルによる世界開発者会議「WWDC 2017」に特別招待される。デジタルクリエーター、ICTエバンジェリストとして世界的に活躍中。シニア向けサイト一般社団法人「メロウ倶楽部」理事。NPO法人ブロードバンドスクール協会理事。熱中小学校教諭。岸田首相主催「デジタル田園都市国家構想実現会議」構成員。ハンドルネームは「マーチャン」。

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『昨日までと違う自分になる』

若宮正子/KADOKAWA

人生を幼少期から紐解き、「うまくいかなくてもいいから、やりたいことをやってみる」、「老人だって、昨日できなかったことが今日できるようになる」と思うようになった、楽しんで生きるヒントが綴られた一冊。

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