姑宅に隠された「切り刻まれた物」。それはかつて買ってこいと言われた私からの贈り物/かづ

アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と3ニャンとで暮らしています。私の嫁時代の体験を思い出しながら書いています。

前回の記事:認知症で家族のことを忘れた姑が唯一覚えているのは「嫁のかづ」だけという皮肉/かづ

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姑が安心してお任せ出来る所に入所できたのを機会に、引き続き私達は自宅ではなく、義実家で生活する事が事実上致し方なくなった。

当時は今ほど訪問介護が確立しておらず、舅が脳梗塞の後遺症で半身麻痺だと言っても、徒歩2分の所に専業主婦の嫁がいるとなればなかなか福祉サービスを受けるのは難しかった。

一応私たち家族が自宅へ戻り舅が独居であるということで、週に3日ヘルパーに来て欲しいと申請したが、やはり却下。

結果、週1で来てもらえることになった。

買い物に簡単な掃除、そして昼食と夕食の支度をしてもらう契約だったが、舅は私達がいなくなったからか、朝昼晩関係無く酒を飲むようになってしまった。

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ヘルパーに酒を買って来てもらうとレシートでばれるので、酒だけはマンションから徒歩5分の、長年取引のあった酒屋に自分で買いに行っていた。

それも私たちにばれないように、酒の空き缶や空き瓶だけは収集日にゴミ集積所へ自分で出しに行くほどの悪知恵は働く。

そうこうしている内に当然酒屋の請求が舅に回って来るが、小遣いとして渡されている金額では払えない。

ツケが払えなくなり、あっけなく私たちにばれたものの、それ以降は散歩がてらまたもや駅前の広場で缶ビールを飲むようになった。

そして週1のヘルパーが来た日以外、私が毎日行って掃除洗濯炊事とをしなくてはならず、結局再び義実家での同居が始まったのだ。

姑が元気だった頃は一番広い部屋を舅姑が使い、私達は一番狭い部屋を使っていたが、介護が始まりそして入所になった流れから私たちの物が徐々に増え、少しづつ姑の荷物を整理していた。

もう今後は姑は外泊程度でしか帰って来ないだろうと、絶対に使わないであろう物が詰まっている納戸を先に片付けることになった。

集積所へは夫が運んでくれるので、日中私が納戸の中の物の選別をしていた。

私にとってはどれもこれも要らない物ばかりだったが、この納戸の物全て要らないと空にするのも極端な話だったので、とりあえず一旦すべて出すことにした。

荷物を出すそばから、舅が「それは昔〇万円で買ったやつや」だの、「それはナントカの記念に買ったやつやから置いときたい」だの、「それは僕のやから置いといて」だのと口出しなかなかはかどらなかったが、舅の物に関しては夫に任せればいいとも思った。

まぁ、舅が亡くなったら全部捨てればいいしとも...。

納戸の物を次々と出し、8割がたを外に出して納戸の奥の壁や床が見えるくらいスッキリしだした。


荷物を出しながら気が付いていたが、納戸の一番奥の隅や荷物の隙間のあちらこちらに、丸められて上からガムテープでぐるぐる巻きになっている紙袋の包みがいくつか見つかった。

上から触るとフワフワしていていて軽い。

このままゴミとして出してしまおうかと思ったが、興味本位で開けて確認してからと思った。

手前にあった包みを、どうせゴミとして捨てるんだからと無造作に破って開けた私は、出て来たソレを見て絶句した。

同じ様に数個あった包みを、同じく無造作に、いや乱暴に破いて中身を確認した私は、大きく深呼吸しながら自分を冷静に保つことに神経を集中させた。

なぜなら、どれもこれも見覚えがあった。


姑が百貨店の売り場まで指定して来て、いわば「買いに行かされた」と言っていいような、母の日や誕生日に敬老の日に私が贈ったプレゼントの品々だった。

どの品もご丁寧に切り刻まれていた。

やっぱりなぁ...


姑はその品物が欲しかったのではなく、息子の収入が少なく、ヤリクリに四苦八苦している嫁をさらに追い込むために、こんな高価な品々を指定して来たのだろう。

一つ一つの切れ端を見ながら、「これを買うのに内職増やしたなぁ」、「これを買う為にバスと電車に乗って百貨店行ったなぁ。あの時は交通費が痛かった...」と、辛かった過去の私が思い出された。

と同時に、過去に私の選んだカーテンや下着を姑にハサミで刻まれて捨てられた事が昨日のことのようによみがえってきた。

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かづ

​ブログ「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」の管理人で、Ameba公式トップブロガー。 ​基本専業主婦の​50代​。子育てが終​り、​夫と4ニャンと暮してい​る​結婚36年目です。 ​一人っ子の夫と結婚し、舅姑の理想の嫁でなかった私の結婚生活においての戦いを思い出しながら書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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