のべ8000人以上を指導したメンタルコーチ・新井慶一さんは、仕事や人間関係、恋愛、さらにはお金まで「99%の人が会話で損をしている」といいます。会話がうまくなれば人生は好転するという新井さんの著書『100%得する話し方』(すばる舎)には、その極意「相手に9割話させる話し方」のメソッドが盛りだくさん。今回はその中から、厳選したヒントを連載形式でお届けします。
可動域の狭い相槌は、相手の目に入っていないのと同じ
みなさん、相槌を打つとき、どれくらいの領域で首をコクコクさせているでしょうか。
私の感覚では、読者のみなさんの9割は、「その相槌では、小さすぎます!」と、言わないといけないくらい小さいと思います。
これは、私の講座に来てくれた人たちの相槌具合を見た経験から言えることなので、おそらく間違いないです。
そこで、まずは今まで打ってきた相槌の3倍くらいの大きさで相槌を打ってみてください。
題して、「首の可動域3倍の法則」です。
話し手からは、案外聞き手の顔や動作が目に入っていません。
なぜなら、話すという行為は脳のメモリをずいぶんと使うからです。
したがって、自分が話すこと以外への注意がおろそかになるのは自然なことなのです。
だからこそ、「聞いていますよ」ということが間違いなく相手に伝わるくらいの動きが、相手の視界に入ればとても喜んでもらえるわけです。
そこで、「相手の視界に入るくらい」の運動量とは、だいたい今の相槌の「3倍くらい」だと覚えてください。
コツは、話が盛り上がってくればくるほど、可動域を大きくすることです。
話が盛り上がるということは、相手がどんどんヒートアップしてきているということです。
そうすると、余計に周りを見る余裕がなくなってきます。
そのときこそ、相手の視界に入るための大きなリアクションが必要なのです。
ここでは「ペーシングの技術」も活かしましょう。
早口でしゃべる人に対しては、相槌もロックを聴くノリで打つ。
ゆっくりしゃべる人に対しては、優雅なクラシックを聴くイメージで相槌を打つ。
首の可動域を3倍にしながら、相手にペースを合わせて打つと無敵です。
オンラインであれば、相槌はさらに大きく回数を増やすのがポイントです。
グループでオンライン会議をしているときなどは、大きくうなずいている人が一人いると、話し手はとくに嬉しい気持ちになるものです。
【得する人がやっている話し方】
相槌は相手のペースに合わせながら、首の可動域を大きくして打つ
【最初から読む】他人の話を真剣に聞いているのは1000人に1人!?
相手に好かれる合いの手や聞きたいことを引き出せる質問術など43のコツが全5章で紹介されています