のべ8000人以上を指導したメンタルコーチ・新井慶一さんは、仕事や人間関係、恋愛、さらにはお金まで「99%の人が会話で損をしている」といいます。会話がうまくなれば人生は好転するという新井さんの著書『100%得する話し方』(すばる舎)には、その極意「相手に9割話させる話し方」のメソッドが盛りだくさん。今回はその中から、厳選したヒントを連載形式でお届けします。
人は、人の話にパーフェクト上の空
会話の極意に気づいてから、私はあらゆる人を観察してみることにしました。
そして、とても興味深いことに気づきました。
ひと言で言うなら、「人は、他人の話に対してパーフェクト上の空」これに尽きます。
なかには、「いやそんなことないよ、僕は人の話を聞いているよ」と言う人がいるかもしれません。
しかし、私が観察する限り、本当に人の話を真剣に聞いている人は、100人に1人、いえ1000人に1人のレベルです。
私の知り合いを見渡しても、数人しかいません(そしてその数人は、例外なく大成功しています)。
ほとんどの人は、一見相手の話を真面目に聞いているようで、頭のなかでは、自分の話したいこと、話さなければならないことばかりを考えているのです。
例えば、相手が何かを話している最中、こんなことを考えていませんか?
「あー、この人、テニスが得意なんだ。ひょっとしたら共通の友人がいるかもしれない。あとで聞いてみよう」
「このへんで、自分のこともアピールしておこう。どの話が一番刺さるかな~」
「自分に話を振られたらどうしよう。何か面白いこと言わなきゃ」などなど。
このように、人は相手の話を聞いているようで、実はあまり聞いていないのです。
もっと言うと、人は人の話を聞きながら、「次に自分は何を話そうか」しか考えていません。
これは、話好きの人も、話下手の人も同じです。
話好きの人は、「自分が持っている話題のどれを話せば盛り上がるか」と考えていますし、話下手の人は「話を振られたらどうしよう」ばかりを考えています。
だから、「人は人の話に、パーフェクト上の空」なのです。
より正確にいうと、人は基本的に自分の聞きたいようにしか相手の話を聞いていないのです。
ですから、自分の話を真剣に聞いてくれる人がいたら、その存在は神々しいほど光り輝くのです。
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