「なんとなくやる気が出ない...」そんな日はだいたいのことがうまくいかず、さらに憂鬱になる、なんてことも少なくありません。そんな悪い気持ちの流れを解消できるのが、30代で病身の夫に代わりビジネスで大きな成功を収めた臼井由妃さんの著書『元気の作法』(方丈社)に散りばめられたヒントの数々。今回は同書から、いつでも簡単に元気が出るようになる習慣づくりのコツをお届けします。
生存確認をイベントにする
2020年4月7日に一都七府県を対象に緊急事態宣言が発出され、約2か月間の外出自粛を強いられました。
自分の命と大切な人の命を守るために、「人との接触を8割に抑える」を求められました。
私の場合は、会議や打ち合わせは、ZOOMやFBのメッセンジャー、スカイプを活用。
先に検討する内容を記したファイルをメールで送り、そのあと画面越しにお互いの顔を見ながら打ち合せ。
執筆をメインにした仕事はほぼリモートワークですみました。
それは必要かつ最小限度の人とのつながり、会う必要性がある仕事を介したコミュニュケーションです。
外出は早朝誰もいない時間のジョギング(通気性のよいマスクをつけて)やウオーキングぐらい。
食料品や日用品の購入はネットスーパーや通販を利用。
一人暮らしですから、対面で会話をしたのは宅配便や郵便の配送の人とのひと言、ふた言。
この間、9割以上は人との接触を避けることができました。
国難ですから協力するのは当然。
窮屈な生活の先には、明るい未来が待っている。
このピンチを教訓に、きっと新しい文化や仕事が生まれる。
日々を乗り越えるために、国難もチャンスに転換できる。
そう捉えることにしました。
そうはいっても、人恋しさは募ります。
趣味を通じて交流をしてきた歌友(歌を通じての友人)のことが気になります。
馴染みにしてきた飲食店のマスターやエステサロンの店長さん、美容室の担当者さん、身体のメンテナンスをお願いしいる鍼灸師さん......。
みんなどうしているかしら? 彼らの顔が浮かび、会いたさは増すばかり。
営業自粛要請を受けたお店ばかりではありませんから、その気になれば会いにいくこともできましたが、やはり今は遠慮するときだと我慢しました。
自分も含めて一人暮らしの友人たちのことが気がかりでした。
報道で「コロナ陽性反応が出ても軽症者は自宅待機」→「軽症者が自宅待機中に容体が急変して死亡」。
他人事ではありません。
私は一都七都府県に緊急事態宣言が発出された直後から、親友と毎朝8時に「生存確認」のメールをかわす約束をしました。
「生存確認」なんて仰々しい物言いですが、これがあるとないとでは安心感が違うのです。
気を配ったのは単なる「おはようございます! 今日も元気です!」とか「おはよう! いいお天気だね」ではなく、「昨日、つくりました。でも失敗!」と、料理を持って残念な表情を浮かべた写真。
「自粛太りです! 何だこれは?」と、お腹の脂肪をつまんだ写真。
ほかにも、「激レア写真。スッピン初公開!」とか、「ウケるといいなあ?」と変顔、「一瞬だけの歌マネ動画」を添付したり。
こんなふうに「生存確認」をイベント化しました。
そんな工夫をして心を満たさなければ、毎日が嫌になっていたでしょう。
「(冗談ぽく)生きている?」「大丈夫?」「外に出ないようにしようね」では、いくらポジテイブな私でも、長い自粛期間を前向きには生きられません。
一人暮らしの人ならば、孤独を楽しんでいたスタンスが、寂しい、怖いというスタンスに変わりかねないでしょう。
気持ちが滅入ると、免疫力が低下します。
免疫力が低下すれば、新型コロナウイルスには勝てません。
免疫学や伝染病の専門家でもない私が言うのもおこがましいことですが、自分と大切な人の元気は自力で作る。
そのための「生存確認のイベント化」でした。
こんなに辛く苦しく悲惨なことは二度とあってはいけませんが、新型コロナウイルス感染拡大で生まれた新たなコミュニュケーションの手法を活用して、私たちの日常がより豊かなものになったのではないかと思います。
【元気ポイント】緊急事態下での「笑える生存確認」は、免疫力を高めてくれる。
【最初から読む】やる気が出ない・・・そんなときこそ「笑って」みて! 心理トレーニングにも応用される「つくり笑顔」のススメ
食事に運動、挨拶のやり方など元気を出す38の習慣が全5章で解説されています