「なんとなくやる気が出ない...」そんな日はだいたいのことがうまくいかず、さらに憂鬱になる、なんてことも少なくありません。そんな悪い気持ちの流れを解消できるのが、30代で病身の夫に代わりビジネスで大きな成功を収めた臼井由妃さんの著書『元気の作法』(方丈社)に散りばめられたヒントの数々。今回は同書から、いつでも簡単に元気が出るようになる習慣づくりのコツをお届けします。
「つくり笑顔」は侮れない
「本物の笑顔」といわれる「デュシェンヌ・スマイル」とは、
・口角を上げる
・目尻にシワをつくる
この2つの条件を満たした笑顔のことで、フランスの神経内科医、デュシェンヌが発見したため、「デュシェンヌ・スマイル」と呼ばれています。
笑顔になると、それだけで脳が前向きな状態に変化し、やる気も出やすくなります。
これは、カリフォルニア大学の実験によって判明しました。
笑顔になるとき、ふつうはまず脳の中で感情が生じ、その結果が笑顔という表情として顔に表れてきます。
ところが、因果関係は逆になるのですが、無理矢理に浮かべた笑顔、つまり「つくり笑顔」でも、後から脳の中に前向きな感情が生じるのです。
「つくり笑顔」には、うつ病予防の効果も発見されていて、アメリカではメンタル面の健康を守る心理トレーニングにも応用されていますし、身体面の健康を守り、寿命を伸ばす効果があることが、ミシガン州立大学のグループにより実証されています。
そうなれば、「つくり笑顔」を使わないのはもったいない!
ぜひとも「つくり笑顔」のレッスンをしましょう。
私は朝晩、洗顔後、鏡に向かって口角を上げて目尻にシワをつくる「つくり笑顔」のレッスンをしています。
これは、自分の心身の健康を保つためだけではなく、ビジネスの場でも活きる術です。
何かとストレスを感じるビジネスの場こそ、「つくり笑顔」で接してみましょう。
すると、強張ばっている表情を浮かべている人や険しい顔、不機嫌そうな表情の人も、あなたの「つくり笑顔」につられて表情がやわらぎ笑顔になります。
「つくり笑顔」は伝染する!
「つくり笑顔」でストレスは軽減される!
のです。
人は緊張状態になると、自分で思考の幅を狭めてしまい、仕事の能率を落としてしまうもの。
一方、笑顔は気分を高揚させ仕事に対するやる気や実行力を高めます。
あなたの「つくり笑顔」で周りの人も笑顔になれば、皆の仕事の効率を上げるだけでなく、職場の雰囲気も明るくなります。
また、笑顔には信頼を得る力もあります。
仏頂面の人には人を寄せ付けない雰囲気がありますよね。
しかし、笑顔は「私はあなたに対して心を開いていますよ」という意思表示ですから、相手もあなたに心を開くので、信頼関係を結びやすい状態になるのです。
笑顔は人と良好な関係を築くために、なくてはならないものです。
「つくり笑顔」というと「わざとらしい笑顔ではないか?」と捉えてしまう人がいますが、それは「目だけ笑う」とか「口元だけ笑みをたたえる」というアクション。
「その場しのぎの笑み」であって、ここでいう「つくり笑顔」とは意味が違います。
笑顔でいる人の周りには人が集まり、笑顔には笑顔が返ってきます。
笑顔は人間関係を良好にする効果があるのですから、積極的に「つくり笑顔」をしましょう。
男性の中には「人前で笑顔を見せるなんておかしい」「笑顔をつくるなんて恥ずかしい」と思う人がいるかもしれません。
ビジネスで成果と信頼を得るには実績と時間が必要ですが、「つくり笑顔」ならば実績も時間も要らず信頼を得ることができます。
そう、「つくり笑顔」は侮れないのです。
そうは言っても、失敗やトラブルが続いているときには、なかなか笑顔ではいられません。
大切なプレゼンの前や憧れの人に会う前を想像するだけでも、緊張するはずです。
そんなときこそ鏡にむかって「つくり笑顔」をしてみましょう。
緊張やネガテイブな感情から解き放たれたような気持ちになります。
男女の別や年齢差、職業、立場、国籍を超えて、相手に「自分は好ましい存在である」と認識させ、身体面の健康も守る「つくり笑顔」。
健康とコミュニュケーションに寄与する「つくり笑顔」を味方にしてください。
【元気ポイント】「つくり笑顔」で自分の健康と、コミュニケーション上手が手に入る。
食事に運動、挨拶のやり方など元気を出す38の習慣が全5章で解説されています