「なんとなくやる気が出ない...」そんな日はだいたいのことがうまくいかず、さらに憂鬱になる、なんてことも少なくありません。そんな悪い気持ちの流れを解消できるのが、30代で病身の夫に代わりビジネスで大きな成功を収めた臼井由妃さんの著書『元気の作法』(方丈社)に散りばめられたヒントの数々。今回は同書から、いつでも簡単に元気が出るようになる習慣づくりのコツをお届けします。
考えることより「行動」を優先する
月末までには仕上げなければいけない原稿があるのに、気づくと部屋の掃除や片づけ物をしていて、これがはかどることこの上なし。
これは私ですが、同様の経験をしたことのある人も多いのではありませんか。
やるべきことに行動が向けばいいのに、何でこういうことになるのか?
気のりがしない、やる気が湧いてこないという物事を前にして、それを避けるように関係のない行動をすると、そちらのほうがはかどってしまう。
これには俗にいう「やる気スイッチ」という行動を促すツボが深く関わっています。
「やる気スイッチなんて本当にあるの?」と思う人もいるでしょう。
私自身は「やる気スイッチ」の存在を感じていましたが、周囲のビジネスパーソン、経営者、ワーキングママさん、専業主婦の方、ご年配の方々など100人にインタビューしたところ、91人が「やる気スイッチを持っている」「持っていると感じている」「やる気スイッチが入るシチュエーションがある」と回答してくださいました。
「どんなことをすれば、やる気スイッチが入るのか?」重ねて質問をしたところ、何と91名全員が「とにかくやり始める」と答えたのです。
私の経験から、ある程度は想定していましたが、「とにかくやり始める」という当たり前のことが「やる気スイッチ」の入れ方でした。
人は、やり始めれば集中するようにできている。
言い換えれば、人間は何かをやり始めなければ集中できないようになっているのです。
企画書を作成しなければいけないのなら、先ずはパソコンに向かってワードを開き「企画書」と打ち込み始める。
資格の勉強をしなければいけないのなら、机に向かって参考書や問題集を開き書き込みをする。
このように何かを「やり始める」と、だんだんと気分がのってきます。
「やる気を待つ」という人もいますが、それは合理的ではないのです。
とにかく何かをやり始めれば「やる気」の加速度は上昇。
一度作業をやり始めると、「やる気スイッチ」が入り、止められなくなってしまいます。
仕上げなければいけない原稿があるのに、気がつくと部屋の掃除や片づけ物をしてしまう私の原因は、ここにあったのです。
考えることよりも、「行動」を優先する。
「やる気スイッチ」を入れるには、とにかく「やり始める!」に尽きます。
その際、おさえておいて欲しいのが、やらなければいけないことにスムーズに挑めるような環境を整えることです。
たとえば、執筆を生業にしている私は、書くことが決まっていようといまいと、午前6時にはパソコンを立ち上げ、いつも使っている原稿執筆用のワードに文字を打ち込み始めます。
もしあなたが商品の提案書を作成中ならば、それまでの内容を受けてとか、出来の良し悪しなどは考えずに、思いつくままに文章を打ち込むのです。
そうするうちに少々体調が悪いときでも、「面倒だなあ」という怠け心が芽生えているときでも「やる気スイッチ」が入って、やらなければいけないことに夢中になります。
「何もやりたくない」というときは誰にでもあります。
むしろそれは自然なことでしょう。
たまには心身を癒すことも必要ですが、そうした機会もきちんと限度を決めてスケジューリングしない限り、「休み明けはのって仕事がデキる」「休んだからこそ、すごいアイデアが浮かんだ」ということにはなりません。
漫然と休んでいたら、「休み明けは調子が出ない」「のらない」「やる気」が出ないということにもなります。
頭で考えるよりも先に「行動」する!
すると「やる気スイッチ」がオンになり、元気や勇気、活気やポジテイブな気持ちが湧きあがってきます。
【元気ポイント】「やる気スイッチ」の入れ方は、とにかく何かをやり始めること。
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