いろいろと気にしすぎていつも失敗ばかり...意外と多くの人が持つこの悩み、実は「自意識」が原因なんです!臨床件数約8万件の有名カウンセラー・大嶋信頼さんの著書『「気にしすぎてうまくいかない」がなくなる本』(あさ出版)から、過剰な自意識を抑え、人生をラクにしてくれる「無意識」の使い方を連載形式で紹介します。
ただひたすらに情報を見つめる
みなさんは、アイディアがほしい時に「浮かんでこない!」となると焦ったり、イライラしたりしませんか?
私も一生懸命にいろんなことを書き出したりして「早くアイディアを出さなきゃ」とか「いいアイディアを出さなきゃ」と思っているだけで時間がたってしまい、「全然出てこない!」となることがよくありました。
これは、「早く!」とか「いいアイディアを!」と思った時に意識が働くので、意識が「いいアイディアが浮かんでこないかも」という不安を現実にしてしまっているだけなのです。そこで「無意識」の助けを借ります。
この時の無意識は、便利な調理器具のような感じです。
素材だけ単純作業で細かく切って、調理器具の中に放り込み、蓋をして温めていたら、いつの間にかいい香りがしてきて「美味しい料理が出来上がっている予感が......」、といった具合です。
実際に私がやっている方法は次のようなものです。
いいアイディアがほしかったら、私の場合はアイディアの素材となるものを集めてきて、それを「無意識に任せちゃおう!」と思いながら、ただ眺めているだけ。
これを何度も繰り返し眺めているうちに、無意識は取り入れた情報を意識では考えられないスピードで整理して、そして「あっ」というひらめきを与えてくれます。
データや資料を眺めていればいい?
ある女性は、お客さんに提案するアイディアがほしくて一生懸命に考えていたのですが、いつまでたってもいいアイディアが浮かんでこず、困っていました。
上司に相談しても、これまであったようなものしか出してもらえず、「ちっとも魅力的じゃない!」という感じなのです。
そのまま、これまであったようなアイディアをお客さんに提案しても喜んでくれないな、というのがわかっているから「何とかしなくちゃ!」と思っているのですが、そう思えば思うほどアイディアが浮かんできません。
そんな時に「無意識の助けを借りる」ことを思い出します。
「これまで使った資料と、そのデータを眺めるだけでいい......」
その女性は、「無意識の助けを借りよう」と思いながら、ひたすら資料を眺めたそうです。自分では何も考えずに、何度も何度も同じ資料をスライドのようにめくっていきます。
すると、頭の中で何かが動いているのが感じられたと言います。意識的に考えているわけじゃないのに、資料をめくっているうちに、その女性の頭の中では様々なアイディアが出てきては消え、また出てきて、を繰り返していたのです。
そして、何度も資料をスライドのようにめくっているうちに「おー、このアイディアは面白いかもしれない!」というものが浮かび、それを書き出してみたらスラスラ書ける。「これまで全然書けなかったのに、こんなに簡単に書けてしまうとは!」とびっくりします。
急ぎそのアイディアをまとめて、後日お客さんに提出したら「このアイディアは凄いですね。これを作成するのにすごい時間がかかったでしょう」と大満足。
「実際は無意識がやっていて、全然時間がかかっていないんですけど......」と思いつつも、彼女は「無意識の助けを借りるのって本当に面白い」と思ったそうです。
意識が働いていると「アイディアが浮かばない!」という暗示で、不安を現実にしてしまいます。
しかし、「無意識の助けを借りる」と決めて、資料をただパラパラとめくるだけの作業を繰り返していると、無意識がそれまで眺めた資料や、これまでの経験、そしてさらに未来に存在しているかもしれない情報などを整理し、「新しいアイディア」を生み出してくれます。
ただ、ひたすらデータや資料を眺めていればいい。本当にそれだけなのです。
4章にわたり、人間関係や仕事などテーマごとに悩みを解決できる「無意識」の使い方が解説されています