話し上手になりたければ「傾聴力」をつけなさい

思いや考えていることが「言葉」でうまく伝えられない――。そんな悩みを抱えるあなたのために、フリーアナウンサー・馬場典子さんの著書『言葉の温度 話し方のプロが大切にしているたった1つのこと』(あさ出版)から、アナウンサーが実際に使っている「話し方のテクニック」を連載形式で紹介します。あなたの言葉と心が、もっと相手に伝わるようになりますよ。

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傾聴

"傾聴"という言葉の奥深さを知ったのは数年前のこと。もとはカウンセリングにおけるコミュニケーション術だったそうですが、アナウンサーとして気をつけていることと似ていて驚きました。

ポイントは、「相手をありのまま受け止める」ことと、「自分の考えを押しつけない」こと。

1.最後まで耳を傾ける

皆さんもご経験があるかと思いますが、人は、話すことで、自分の考えや気持ちに気付いたり、整理できたりすることがあります。また、結論から話す人もいれば、順を追って最後に核心に触れる人もいます。言葉を尽くしても、最後まで上手く言葉にできない場合もあります。だから、最後まで話してもらうことがとても大切です。

もしあなたが、相手のことをよく知っていたとしても、上司や人生の先輩としてアドバイスしたいことがあっても、とにかく最後まで耳を傾けてあげてください。そして、聞き終わったあとも、自分の考えを押しつけるのは控えましょう。

2.ものさしを持たない

私たちは無意識のうちに、自分の経験値に照らして人やものごとを判断してしまいますが、「こうに違いない」「大体こういうもの」という思い込みがあると、相手の言葉や思いをきちんと受け取ることができません。

免疫力が人によって異なるように、大事なことも、つらいと感じることも、その程度も、人それぞれ。無意識なのでなかなか難しいのですが、自分のものさしを一旦外して、相手の言葉や思いをそのまま受け取るように努めます。「あの人はどうせこういう人」なんてレッテルを貼っている相手の話を聞くときは特に注意が必要です。

3.言葉の奥にある感情を感じ取る

これが一番重要なこと、これが傾聴の本質でしょう。

子どもは、親の愛情を試すためにいたずらをすることがあります。「大丈夫です」と言っている人が、本当はつらくてつらくて仕方がないときがあります。どんな思いのときに、どんな言葉を選ぶのか、どんな言い方をするのか、どんな態度を示すのか、人それぞれです。

言葉に振り回されず、なぜそんな言動になるのか、その奥にある相手の気持ちを想像し、理解することが最も大切です。

行間を読む

"傾聴"ではもう一つ、表情・しぐさ・声の調子・態度など、言葉以外のシグナルを受け止めて理解することも大切だと聞きました。ここも、アナウンサーとして気をつけていることと同じでした。

たとえば相手がちょっと含みを持たせた物言いをしたとき。それが、「気恥ずかしいけど聞いてくれたら嬉しいな」なのか、「言いたくないけど聞かれたら言ってもいいかな」なのか、「これ以上は聞いてくれるな」なのか、文脈や表情から感じ取ります。状況によって、その先の促し方を変えていきます。

たとえば相手が言葉に詰まったとき。言葉が出てこないだけなのか、考えている最中なのか、質問の意図が伝わっていないのか、答えたくないのか。声のトーンや表情などから感じとります。

言葉が出てこないときには助け舟を出し、考えているときは静かに待ち、意図が伝わっていないときは聞き方を変え、答えたくないときには「突然の無茶ぶりですみません」などとすぐ引き取る、というように、対応します。

スタジオでVTRの感想を求めるときは、ゲストがどこに興味を引かれているか、どんなリアクションをしているかなど、VTR中の様子にも気を配っています。

声のトーン、間合い、表情など、相手の発する情報すべてを受け取ること=〝行間を読む〟ことができると、コミュニケーションがぐっと円滑になります。

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021-shoei.jpg7章からなる本書では、著者がアナウンサー研修で実際に学んだトレーニングのほか、「話し方の心・技・体」という3つテーマで実践的な技術が学べます

 

馬場典子(ばば・のりこ)

1974年、東京都生まれ。フリーアナウンサー。1997年日本テレビ放送網株式会社にアナウンサーとして入社し、報道からバラエティ、スポーツまで幅広く番組を担当。2014年6月末に日本テレビを退社、フリーアナウンサーとして活躍中。2015年4月より大阪芸術大学放送学科アナウンスコースの教授を務める。

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『言葉の温度 話し方のプロが大切にしているたった1つのこと』

(馬場典子/あさ出版)

思いや考えが言葉にするとうまく伝わらない――。そんな悩みを解決してくれるコミュニケーションスキルアップ本。言葉遣い、ニュアンス、間、表情などアナウンサーの「話し方」のテクニックを分かりやすく解説。なぜアナウンサーの言葉は伝わりやすいのか、その理由が必ずあなたに“伝わり”ます。

※この記事は『言葉の温度 話し方のプロが大切にしているたった1つのこと』(馬場典子/あさ出版)からの抜粋です。

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