<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ひろえもん
性別:女
年齢:54
プロフィール:海辺の町で猫4匹と夫とともに船の汽笛を聞きながら暮らす、普通の関西のおばちゃんです。
50歳を過ぎた頃、たまに夜中、急に寒くなり手が震えたりすることがありました。
ですが、ホットレモンを飲んでしばらくじっとしているとおさまっていたので、病院には行きませんでした。
ところが外国にいたとき同じ症状がおこり、呼吸困難になってしまったのです。
私は、またおさまるかもしれないと思いつつも夫に「もし、私が意識を失ったら救急車を呼んで」と頼みました。
すると「え、なんで俺がずっと起きてなあかんの?」と不満そうに言うのです。
私は震えながら夫に頼ることはできないと自分で救急車を呼びました。
そして「一緒に来て」と頼むと、「俺、行く必要ある?」というまさに「うそでしょ?」な答え。
しぶしぶついて来たものの、「眠い」と文句を言い続けていました。
1人の救急隊員が私の脈を測り、酸素マスクをつけている間、もう1人の救急隊員と笑いながら話している夫がずっと見えていました。
悲しい気持ちになると余計に呼吸が苦しくなるので、怖くなり「落ち着け」と心の中で何度も呟きました。
「あれ、本当にあなたの旦那さん?」と救急隊員も怪訝そうな表情で聞いてきました。
結局、私は近くの総合病院に運ばれ、おそらく低カリウム血症ではないかと診断されました。
高齢者にはよくある症状だそうです。
この件で、夫は私が死のうが生きようが自分には関係ないと思っていることを、初めて実感しました。
夫が膝の手術をしたときは仕事を休んで検査に付き添い、病院や保険の手続きも私がやったのに。
全身麻酔なので目覚めるまでは本当に心配で、ずっと寝顔を見ていたのに。
そんな思いやりに感謝の一つも感じてなかったことを知りました。
確かに、思い返してみると細かいところで、人の痛みに対する夫の無関心さは現れていました。
私が風邪で寝ているとき、寝室まで聞こえるぐらいの大音量でテレビをつけ、平気で煙草をプカプカ吸っていて、当時、出産したばかりの猫も赤ちゃんを一匹ずつくわえて夫がいない部屋まで子猫をせっせと運んでいました。
本能的に煙草の煙の危険性を察知したんだと思います。
料理をテーブルに置いて、「お箸出して」と頼むと自分のお箸だけ持ってきて座って一人でさっさとひとりで食べ始めるような人なのです。
〝自分のやりたいことをやり、言いたいことを言う〟夫は、それを自由と勘違いしています。
多分、夫には生涯、吹き出物ぐらいの思いやりしか育たないのかもしれません。
どんどん身体の不調が増えていく年齢になり、本当にこの人と一緒に生きていくの?と、すごく不安です。
一方、誰も助けてくれる人がいないなら、死ぬまで自分が健康でいるしかないな~!とも思っています。
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