届けられたのは48億円!東日本大震災で世界が知った日本人の「モラル力」

「食後にお皿をまとめる」「落し物を自分の物にしない」「見えないところで努力する」――。日本で長らく育ってきた方であればきっと普通のことだと感じるでしょう。でも、外国人からしてみると、実は想像できないほど不思議な行動だそうです。「幸せに生きるコツは日本で見つけた」という、来日30年を超えるアメリカ人女性が気付いたのは、この行動や考え方は世界に誇れるということ。外国人から見た、「日本人の本当のすごさ」についてお届けします。

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「落とし物」を自分のものにしない

東日本大震災に関するニュースで、世界的に波紋が広がったものがあります。48億円の現金が返却されたというものです。被災地の瓦礫(がれき)のなかから見つかった現金や金庫が、役所に次々と届けられたというのです。

はじめての来日から約23年経ったときでしたが、日本人の「誠実な心」に慣れてしまい、こんな美談にもあまり驚かなくなったことを不思議に思います。震災で48億円の現金が戻されたという報道は、日本人がもつモラルの高さと美意識を改めて世界に広めました。海外の人々は、驚きをもってそのニュースを受け止めたに違いありません。

日本人は1人ひとりが、不思議なモラルと見識をもっています。そうした1人ひとりの、いわば小さなモラル力が、日本人全体のモラルを創造しているのかもしれません。

日本人にとっては当たり前でも、世界の人々が心から驚いてしまうようなことがあります。小さなモラル力の典型的なできごとが、職場のビルで起こりました。ある日、事務所がある2階のエレベーターホールの壁に「落とし物」の張り紙がありました。「心当たりのある方は管理人事務所まで」と書いてあります。

そういう「落とし物」の張り紙には、たいてい傘とかハンカチなど、何が落ちていたのか書いてあるのですが、そのときはなんと「現金」です。これこそ、日本の誇るべきモラル力の表れでしょう!千円なのか2万円なのかは書かれていませんでしたが、金額が問題なのではありません。

だれかが床に落ちている現金に気づく。周りには、監視カメラもなく、人影もありません。それでもその人は、自分のポケットにお金をそっと入れてしまうことなく、管理人事務所に届けたのです。このような行為は、海外では見たことがありません。

いまはお金があふれるバブル期ではありません。不景気で、多くの人がお金に困っているいまだからこそ、なおさらこのモラルには驚いてしまいます。日本人は、状況が厳しくなればなるほど、共存と共有の意識を強めるというのでしょうか。コミュニティーができるのは、好況のときではなく、不況のときなのでしょうか。

多くの国では、厳しい状況のなかでは当然のように個人行動をとりますが、日本ではその逆だというのでしょうか。

このメンタリティー(精神性)の根拠を学び、厳しい状況にある自分の母国でも参考にしたいと思います。この特別なメンタリティーを吸収し、世界の仲間に伝えていきたいのです。

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hokorinisitai_syoei.jpg39の「日本人の特長」がつづられた本書は、読むだけで何だかうれしくなります

 

ルース・マリー・ジャーマン

米国ノースカロライナ州生まれ、ハワイ州育ち。1988年にボストンのタフツ大学国際関係学部から(株)リクルートに入社し、以来30年間日本に滞在。2012年4月に(株)ジャーマン・インターナショナルを起業。日本企業と外国人の潜在顧客をつなげるため、経営戦略と営業・広告活動をサポートしている。2018年に日本企業のグローバル化トレーニングを行う「Train to Globalize」事業も立ち上げる。NHK教育テレビ「しごとの基礎英語」にてビジネスアドバイザーとして出演するなど、メディアでも活動中。

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『日本人がいつまでも誇りにしたい39のこと』

(ルース・マリー・ジャーマン/あさ出版)

見えないところで努力する日本人は、世界からかっこいいと思われている!?来日30年を超えるアメリカ人著者が、日本で見つけた「39の幸せに生きるコツ」。精神性や美意識、ビジネス論など、5つの観点から日本人をながめてみると、世界に誇れる気質がたくさん見えてくる。著者の体験談を交えて語られるエピソードは、まるで大好きな日本への愛情をつづったラブレター。きっと、日本人に生まれて良かったと感じられます!

※この記事は『日本人がいつまでも誇りにしたい39のこと』(ルース・マリー・ジャーマン/あさ出版)からの抜粋です。
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