誰もが気になる家計の節約、どうすれば長続きするでしょうか。きついやり方は耐えられず、かえって逆効果です。ここでは、経済ジャーナリストの荻原博子さんに、頑張らずにできる節約のコツを聞きました!
これからの節約は「頑張らない」がポイント。
実際に、生活のなかで実践できる節約術を荻原さんに教えてもらいました。
家族と協力すれば家計の
スリム化はカンタン!
暮らしにまつわる節約術を具体的に挙げていきます。
どれも決して難しくなく、スマホを活用するのも荻原さん流です。
「水道光熱費や通信費など、大きな固定費の改善は夫に任せるなど、夫婦で取り組むと協力意識が芽生え、節約だからといって家庭はギスギスしませんよ」(荻原さん)
"続く節約5つのキーワード"
①生活費を書き出す
家計を見える化すると改善しやすくなる
②携帯電話を活用
写真を撮って記録として使うと便利
③家族と協力する
二人三脚で節約に取り組むとグッと成功しやすくなる
④増やすことは考えない
失敗すると減るだけ守ることを最優先
⑤無理な節約は逆効果
ストレスのない方法が長続きする秘訣
【水道光熱費】小さな節約より大きな節約を
1.電気とガスはまとめて契約
2.電気の契約アンペア数を下げる
3.なんでもすぐに消さなくていい
水道光熱費は、つけっぱなしや流しっぱなしをやめるだけでは、大胆な節約になりません。
それよりも、電気とガスを1つの会社にまとめる「セット割」がお得になることがあります。
シミュレーションできるサイトで試算してみましょう。
電気は契約アンペア数を下げると料金が下がることも。
エアコンは頻繁につけたり消したりすると、電気代が高くなります。
【食費】特売に飛びつく前に深呼吸!
4.献立を決めてから買い物に行く
5.冷凍食品を買いだめしない
6.特売に飛びつかない
7.1000円生活を始めてみる
安いからといって買い過ぎ、腐らせる「特売貧乏」にならないためには、在庫チェックが必須。
買い物に行く前は冷蔵庫の中を携帯電話で撮影し、献立を決めてから出かけましょう。
買い過ぎが気になるならサイフに1日1000円しか入れない生活がおすすめ。
何日かすると慣れてしまい、すっかり無駄な買い物をしなくなります。
買いだめは絶対にやめましょう。
【通信費】バラバラ契約は散財のもと
8.格安スマホで大幅コストダウン
9.自宅のネットとセットで契約
10.固定電話は見直す余地あり
携帯料金と自宅のインターネット回線などをセット契約にすると安くなることが。
LINEなどの無料アプリも使いましょう。
大手から格安の携帯電話会社のスマホにすると、月5000円ほどが浮くこともあります。
使っているのは大手通信会社の通信網なので、通話に心配はありません。
また、使わない固定電話は解約を検討しても良いでしょう。
【保険料】過剰な保障は家計の大敵!
11.子どもが社会人になれば夫の死亡保障は外す
12.公的保険で日常の保障はカバーできる
13.保険で貯蓄する必要はない
子どもが社会人になったら、教育費目的の死亡保障は不要になります。
健康保険の高額療養費制度があるので、医療保険もそれほど手厚くする必要はありません。
やめるか共済で十分。
浮いた分は貯蓄に回しましょう。
その際、貯蓄型の保険を検討する人もいるでしょうが、予定利率は0.25%前後でなかなか元本は増えず、貯蓄効果は期待できません。
【衣料費】手に取る前にクローゼットを確認
14 クローゼット内は種類別に整理
15 持っている衣類を撮影しておく
16 新しいものを買ったら1枚は処分
自分が持っている服を把握していないと、同じような服を何枚も買ってしまいがち。
クローゼット内はブラウス、スカートなど種類別に整理し、携帯電話のカメラで撮影してカテゴリ別に管理しておき、買い物の際にチェックすると重複を避けられます。
また、新しいものを買ったら1枚は処分するルールにすれば、もったいない気持ちから衝動買いも減ります。
【レジャー費】サイフのヒモは緩めず、身近な楽しみを発見
17.予算内で楽しむこと
18.割引券などをしっかり利用
19.家庭菜園は最高のレジャー
レジャー施設のチケットはコンビニで割引券を買うなど、あらかじめ決めた予算内で楽しむようにしましょう。
シニア向けの特典がある場所を選ぶのもポイントです。
また、月数千円で借りられる市民向けの家庭菜園は、栽培から収穫までを楽しめる、立派なエンターテインメントです。
食費の節約になり仲間もできるので、長く楽しむことができます。
【日用品費】格安のセール品は得なようで得でない
20.家にある在庫を管理しておく
21.必要以上の在庫は抱えない
22.セール品は買わない
家に在庫がたくさんあると雑に扱い、無駄遣いにつながります。
セールに飛びつかず必要な分だけ買いましょう。
【交通費】頻繁に使わない車は処分しても良し!
23.車は持たずにカーシェア
24.シルバーパスを積極的に利用
25.割引切符もチェック
車は持たずにカーシェアにすると固定費が減ります。
バスや電車はシルバーパスや割引切符を使う手もあります。
取材・文/大正谷成晴 撮影/関 大介 イラスト/木波本陽子