何を始めるにも時間がかかる、すぐに気が散る...そんな悩みを解決する方法があることをご存知でしょうか。必要なのは、たった30秒。わずかな時間で「集中力」を発揮して持続できるメソッドがまとめられた『30秒集中法―いきなり一点にすべての能力を集め、持続させる―』(森 健次朗/ワニブックス)から、誰でもできる「集中する技術」を連載形式でお届けします。仕事や普段の生活で、きっと「良い結果」が残せるようになるはずです。
子供がゲームにハマるように「仕事」「勉強」にハマるカギは"リラックス"
子供は、ゲームに集中します。
このとき、子供は本当に楽しそうにプレイしています。
これこそ、「理想の集中の形」だと私は考えています。
子供がゲームにハマるように、大人が仕事、勉強にハマるためには、子供がある意味でゲーム依存症になっているメカニズムを知ることが大切です。
子供は、適度にリラックスして、目の前のゲームに強く集中します。
しかも、「もうやめなさい」と言われてもお構いなしに、長時間プレイを続けます。
実は、〝瞬時に強く、そして長時間〟集中するためには、リラックスすることが欠かせません。
いかにリラックス状態をつくれるかが、集中の質と密接に関係しているということです。
集中するためにまずするべきことは、リラックスすることです。
リラックス状態をつくることとは、集中するために絶対的に必要な準備なのです。
「集中力が続かない」「スッと集中できない」という悩みを持つ人たちに対して、私は長年、研修などを通して指導してきました。
そこでわかったことは、何かに集中できない人に共通することが、緊張して力が入りすぎているということです。
力が入りすぎている人や、「何がなんでも集中しなければ」と考える人ほど、自分の能力を発揮できません。
気合いや、気持ちを強く込めすぎて物事に臨む人ほど、「失敗したらどうしよう」という考えが頭をよぎり、本領を発揮できないのです。
自分の能力を存分に発揮する人、能力以上の力を発揮できる人というのは、リラックスして物事に臨んでいます。
振り子は引っ張れば引っ張るほど、振り幅が大きくなります。
同様に、リラックスの幅が大きいほど、集中も強くなります。
集中とリラックスは表裏一体の関係であり、切っても切り離せない関係です。
一流はリラックスのための副交感神経の役割を知っている
一流のビジネスパーソン、アスリート、アーティストは、結果を求められるため、緊張状態にさらされる機会が多くあります。
そのため、意識的にも無意識的にも、リラックス状態をつくることを意識しています。
彼らは、いつでも瞬時に集中状態をつくるために、そして、集中状態を持続させるために、リラックスする方法を実践しているのです。
自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあります。
車で例えると、交感神経がアクセルで、副交感神経がブレーキの役割を担います。
仕事でも勉強でも、私たちは進んだり止まったりしながら、日々の活動を行なっています。
アクセルとブレーキの割合が、適度なバランスを保つことで、成果は出せるのです。
人間は、戦闘モードになったときに交感神経が働きます。
交感神経は、運動時や昼間の活動時に働くのです。
このとき、血圧は上がり、心拍数も増え、エネルギーを消費します。
一方で、副交感神経は、休息や栄養補給などの役割があり、エネルギーを再生する働きがあります。
このとき、血圧は下がり、心拍数は減り、体も心もゆったりとします。
交感神経の活動レベルが高く、副交感神経の活動レベルが低いと、心身が不調になります。
だからこそ、リラックス状態をつくるために、副交感神経にスイッチを入れ、心も体もゆるめる機会を意識的に持つことが大切です。
冷静に仕事や勉強に集中し、成果を出すための準備として、リラックス状態をつくることを心がけましょう。