80歳の現役料理研究家・村上祥子さん。彼女の忙しい生活を支えているのは、春夏秋冬、四季の野菜や果実で作っている保存食だと言います。そんな村上さんが毎日食べているという保存食を1冊にまとめた『村上祥子80歳 私がいつも食べている季節の保存食』(KADOKAWA)より、簡単にチャレンジできるレシピを紹介します。
※本記事は村上祥子著の書籍『村上祥子80歳 私がいつも食べている季節の保存食』から一部抜粋・編集しました。
【前回】塩分が気になる方に。「炊飯器で作る生みそ」は酵母菌が生きた熟成みそ
卵はアミノ酸、ビタミン、ミネラルをバランス良く含んだ「完全栄養食品」です。特に卵黄に含まれる脂質の中には、リン脂質のホスファチジルコリンといわれる成分が含まれています。高知医科大学(現高知大学)学長であった、アルツハイマー型認知症の権威・池田久男博士は、ラットを使って認知症やパーキンソン病を予防改善する研究を行ってきました。ホスファチジルコリンを含むリン脂質を「卵黄コリン」と命名して研究を進め、その結果、ビタミンと卵黄コリンを一緒に摂ると認知症の改善に効果があることを突き止めました。
卵は栄養バランスも良く、価格も安定しているので毎日欠かさずに摂りたい食品。できれば保存のきく味卵などにして、調理なしですぐ食べられるようにストックしておくと、便利です。
味卵
・卵1個分77kcal
・塩分0.8g
材料 (10個分)
卵...10個
麺つゆ(2倍濃縮)...300ml
作り方
1 鍋に水1.5L(分量外)を入れて沸騰したら、お玉などで冷蔵庫から出したばかりの卵を1個ずつ加える。ふつふつ煮立つ程度の中火で6分加熱し、火を止める。
2 ボウルに水1.5Lと氷500g(いずれも分量外)を入れて冷水を用意しておき、網じゃくしで卵を移し、3分浸す。
3 平らな硬い場所に卵の天地をコンコンと打ちつけ、横にして側面をゴロゴロと転がして卵全体にヒビを入れたら、氷水の中で殻をむく。
4 ふた付きの容器に麺つゆを注ぎ、卵を加えたらキッチンペーパー1枚を直にかぶせる。
5 ふたをして冷蔵庫に入れ、4時間漬けたら汁から引き上げ、ふた付き容器に移して冷蔵する。漬けたままだと黄身が硬くなる。
・冷蔵で1週間保存できる。
・麺つゆは薄めないで使う。
ゆで時間の目安
黄身がトロトロに仕上げたいとき...6分加熱
もう少し硬めに仕上げたいとき...7分加熱
固ゆでに仕上げたいとき...12分加熱
ゆで卵のピクルス
・卵1個分77kcal
・塩分0.7g
材料 (500ml瓶1個分)
半熟卵...5個
好みの野菜にんじん、きゅうり、大根、パプリカ、ピーマン、セロリなど(ひと口大に切る)...合わせて200g
ピクルス液の材料
・ローリエ...1枚
・シナモンスティック...1本
・粒黒こしょう...小さじ1
・赤とうがらし...1本
・にんにく...1片
・酢...50ml
・砂糖...50g
・塩...小さじ1/2
・水...200ml
作り方
1 瓶にピクルス液の材料を入れてよく混ぜる。
2 殻をむいた卵を入れ、野菜も入れたらふたをして冷蔵する。翌日からおいしく食べられる。
・冷蔵で1週間保存できる。
・タルタルソースや卵サンドを作るときに使うと便利。
サラダに添えて
好みの野菜をサッとゆでた温野菜にゆで卵のピクルスと漬けた野菜を添える。一緒にいただくと調味料は不要です。