DVやハラスメント、性犯罪に娘のいじめ...「女性が巻き込まれやすいトラブル」は数多くあります。でも、そうした悩みを解決したくても、「誰かに相談したら逆に悪化するかも...」とどうしていいかわからない人も多いと言います。そこで、弁護士の上谷さくらさんと岸本学さんの著書『おとめ六法』(KADOKAWA)より、女性の味方になってくれる「法律」についてご紹介。ぜひ、ご自身やお子さんがトラブルの参考にしてください。
「わたしの子どもなんだから、なにしてもいい」?
「毒親」という言葉が広く知られるようになりました。
決まった定義はありませんが、「子どもを思い通りに支配しようとする親」「子どもを傷つける親」「子どもにまったく無関心な親」というように、「子どもにとって毒になる」意味で使われます。
具体的には、次の行為などが毒親の行為の例に挙げられます。
● ささいなことでどなったり暴力をふるったりする
● 一切スキンシップをしない
● 習い事や進路などについて、子どもの希望を無視して親の意向に従わせる
● 必要な食事も与えない、教育を受けさせないなど、子どもに無関心
● 子どもの考えや好みを全面的に否定する
●「産まなければよかった」「お前のせいで、私の人生がだめになった」「いなくなれ」など、子どもの存在自体を否定する
● 子どもの進学、就職、結婚などを邪魔する
親は、子どもの利益のために、子どもの監護をし、教育をする権利があります。
そして、これは義務でもあります(民法第820条)。
「子の利益のために」という言葉は、児童虐待防止の観点から、2011年の民法改正により追加されました。
親が好き勝手に子どもを支配していいわけではないことは当然の前提と思われていましたが、親権の濫用による虐待が増えてきたため、民法に明記されました。
同時に、従来の「親権喪失」制度に加え、親権喪失よりも認められやすい「親権停止」制度も新しくできました。
毒親に育てられた子どもたちは、自己肯定感が低く、自分が親になることを恐れるなど、成人してからもさまざまな生きづらさを持ち続ける人が少なくありません。
逆に、自分の意に反して、嫌だった自分の毒親そっくりにふるまってしまう人もいます。
しかし、カウンセリング等で回復できるケースも多いようです。
自分の生きづらさの原因が親との関係にありそうだと感じたら、一度専門家に相談してみるのもよいでしょう。
ほかにも書籍では、恋愛・くらし・しごと・結婚など6つの章だてで、女性に起こりうる様々なトラブルに「どう法的に対処すべきか」が解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。
六法やDV防止法、ストーカー規制法...。女性の一生に寄り添う大切な法律が、6章にわたって解説されています。