女性が1日のうち家事にかける時間は2時間24分と言われます。30年間だと...なんと2万6280時間(丸3年間)にも及ぶんです。そんな家事を賢く手放してみませんか? 知的家事プロデューサーの本間朝子さんは、コスパのよい「AI家電」や「家事代行サービス」などを、賢く利用することを提案しています。アラフィフ世代にもぜひ知ってほしい「家事を積極的に手放す」方法を、本間さんの著書『ゼロ家事』(大和書房)より連載形式でお届けします。
家事にお金をかけるのは贅沢ではない。人生への投資です
家事や育児が追いつかないからと仕事を辞めたり、それまでのポジションを手放す女性が多くいます。人生で何を大切にするかは人それぞれですが、仕事が好きで続けたいのに、家事が理由でキャリアダウンしてしまうなら、もったいないことです。
ゼロ家事を目指せば、家事の負担をどんどん減らせて時間がつくれるのですから。
ゼロ家事生活を実現するには、出費は避けて通れませんが、「高い」「もったいない」と感じて新たな導入をためらってしまう人が多いのは、本当に残念です。
今、家事と仕事の両立に悩んでいる人は、「将来の経済状態」も考えてみましょう。
どんな暮らしをするにしても、将来、お金がさまざまな問題を解決してくれることは事実。お子さんがいる家庭では、教育費が驚くほどかかります。
また、人生は不測の事態が起きることがあります。自分ひとりで家族を養わないといけない状況になる可能性もあります。
仕事を続け、キャリアと経済力があれば、将来の人生設計に余裕が持てます。
図を見ると、働き続けることで家計に千万円単位でプラスを与えていけることが分かります。共働き家庭の生涯所得を考えたら、ゼロ家事にかかるお金は、けっして贅沢ではありません。将来、笑顔でいられる人生への投資なのです。
家事に手をかける、丁寧な暮らしに憧れる女性も多いようです。でも、それは将来のお楽しみにとっておきませんか?
一度中断したキャリアを取り戻すのは、並大抵なことではありません。
「女性だから家事をやらなきゃ」と思っていませんか?
いまだに、家事は「女性のたしなみ」と感じている人の多い日本女性。家事をラクにすることに罪悪感を覚えたり、家事が苦手なことにコンプレックスを感じたりする傾向にあるようです。
でも、なぜ「女性だから家事ができる」のでしょう。
幼少期から男女平等の教育を受け、男女一緒に就活する時代の女性たちです。家事が苦手、家事をやりたくないと思うのは、男女関係なく自然な気持ちです。
家事は女性なら「できて当然」ではないのです。
人間には、どんな分野にも得意不得意があるのと同じこと。女性なら家事ができるのは当然と思っている男性がいたら、時代と認識がズレています。
家事に対して、「手をかけることが愛情」という風潮が今も根強くあります。
専業主婦は時間的にそれが可能だったのに加え、便利な家電などが少なかった時代は、手をかけざるを得なかったという側面があります。
でも、手をかけることだけが家族への愛情ではありません。
頑張って仕事をする背中を家族に見せることも愛情です。手をかける家事に疲れて笑顔も出ないなら、何のために手をかけているのでしょう。
ラクすることは、手抜きとは違います。家事効率を上げる、生産性を高めるクリエイティブな行動です。
家事だけを特別扱いせず、他のものと同じように積極的に効率化を図り、時間を有効に使ってください。
そのためには「できる人」の価値観を変えることが有効です。
これまでは、「何でも自分でやる人=できる人」でしたが、これからは、「他力を活用できる人=できる人」と考える時代です。
昔は洗濯板で一枚一枚、自分の手を使って洗濯していましたが、洗濯機が登場した時、女性は効率がよくラクな方法に迷いなく飛びつきました。
それと同じように、便利なものをどんどん取り入れればいいのです。
今、抵抗があることも、数年後にはきっと常識が変わっています。早く始めた分だけ、得をするのです。
家事の常識をリセットしましょう。「ゼロ家事」その他の記事はこちら!
5章に渡って「AI家電」や「家事代行サービス」、「家事をラクにするテクニック」など、実践的な提案が並ぶ「人生のコストパフォーマンスを上げる」ための一冊です。