筋力アップ、骨の強化、腸活...。5つの目的別で紹介する「健康スープ」特集【まとめ】

筋肉や脳の衰え、骨密度の低下などが気になったら、管理栄養士・料理研究家の成澤文子さんに教えていただいた、目的別の「具だくさんスープ」を作ってみませんか? 必要な栄養素が効率良く摂取でき、おいしく食べながら手軽に健康増進できるんです。5つの目的別に、スープのレシピをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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スープにすれば栄養が効率良く摂れます

「ロコモティブシンドロームや認知症、骨粗しょう症を予防したい」「腸や肌の健康を保ちたい」といった悩みに対し、成澤文子さんがすすめるのは具だくさんのスープ。

「スープのいいところは、ひと皿でたくさんの食材が摂れること。栄養素は複数摂ることで吸収が高まるので、効率良く体がととのえられます」。

とくに不足しがちな野菜は、加熱でかさが減るため、サラダより量がたくさん摂れるのも大きなメリット。

「スープならパンにもご飯にも合い、朝食にもおすすめ。目的に合わせて、強化したいスープを取り入れてみて」

1.筋力アップの「たんぱく質スープ」

筋肉を増やすには、材料となるたんぱく質の摂取が必須。スープなら食べやすく、量もしっかり摂れます。

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薄切り肉で手軽。ボリュームもたっぷり
「牛肉と豆のトマトチャウダー」

牛肉に含まれる必須アミノ酸のロイシンは、筋肉を作るのに重要な働きが。蒸し大豆を加え、たんぱく質量を手軽に増やします。

1人分217kcal/塩分0.9g

材料(2人分)
牛薄切り肉...100g
蒸し大豆...60g
玉ねぎ...1/2個
オリーブ油...大さじ1/2
にんにくのみじん切り...1/2片分
(A)水...1カップ
(A)トマト水煮缶...1/2缶(200g)
(A)ウスターソース...大さじ1
(A)砂糖...小さじ1/3
パセリのみじん切り...適量

作り方
① 牛肉は食べやすい大きさに切り、玉ねぎはみじん切りにする。

② 鍋にオリーブ油、にんにくを入れて弱火にかけ、香りが出てきたら玉ねぎを加えて中火で炒める。

③ 玉ねぎがしんなりしたら牛肉を加え、肉の色が変わったらA、蒸し大豆を加え、静かに煮立つ火加減で7分ほど、少しとろみが出るまで煮る。味をみて足りなければ塩、こしょう(各分量外)で味をととのえる。器に盛り、パセリをふる。

▶詳しい記事はこちら:体の衰えが気になる人に...。管理栄養士が教える「筋力アップのたんぱく質スープ」2選

2.骨を強化する「カルシウムスープ」

骨粗しょう症予防に不可欠なカルシウム。

ビタミンやミネラルと一緒に摂ると吸収率が高まります。

魚のくさみも気にならなくておいしい!
「さば缶とブロッコリーのタイカレー風スープ」

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1人分283kcal/塩分1.6g

骨ごと食べられるさば缶は、カルシウムアップの栄養素が豊富。ブロッコリーのビタミンKもカルシウム吸収を助けます。

材料(2人分)
さば水煮缶...1缶(150g)
ブロッコリー...1/3個(8房)
玉ねぎ...大1/2個
サラダ油...小さじ2
しょうがのみじん切り...1かけ分
カレー粉...小さじ2
(A)水...1カップ
(A)鶏がらスープの素...小さじ1
豆乳...3/4カップ
(B)ナンプラーまたはしょうゆ...小さじ1/3
(B)レモン果汁...少々

作り方
① 玉ねぎは薄切りにする。

② 鍋にサラダ油を熱し、①、しょうがを中火で炒める。全体に油が回ったらさば缶を缶汁ごと加え、カレー粉を加えてさっと炒める。

Aを加え、煮立ったらブロッコリーを加える。ふたをして弱めの中火で2分ほど煮たら豆乳を加えて沸騰直前まで温め、Bを加えて調味する。

ひき肉のうま味がこくをアップ!

「小松菜と鶏ひき肉のミルクスープ」

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1人分203kcal/塩分1.0g

牛乳が苦手な人にも飲みやすいミルクスープ。野菜のなかでもカルシウムが多い小松菜を加えて骨活効果アップ。

材料(2人分)
鶏ひき肉...80g
小松菜...4株
玉ねぎ...1/4個
(A)水...1カップ
(A)鶏がらスープの素...小さじ1
牛乳...1 1/2カップ
塩、粗びき黒こしょう...各少々

作り方
① 小松菜は2cm長さに切る。玉ねぎは薄切りにする。

② 鍋にA、ひき肉、玉ねぎを入れて中火にかけ、ひき肉をほぐす。沸騰したら小松菜を加え、混ぜながら温める。

③ 牛乳を加えて沸騰直前まで温め、塩で味をととのえる。器に盛り、粗びき黒こしょうをふる。

▶詳しい記事はこちら:こくのあるミルクスープも♪ 骨を強化する「カルシウムスープ」レシピ3選

3.腸活におすすめ「食物繊維スープ」

腸内環境改善に必要な食物繊維は、スープにすれば不足分が効率良く摂取できます。

もち麦入りなので腹もちもよし

「大根ともち麦のみそキムチスープ」

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1人分68kcal/塩分1.4g

乳酸菌の入ったキムチと、食物繊維豊富なもち麦入り。もち麦の食物繊維は水溶性と
不溶性がバランス良く含まれています。

材料(2人分)
大根...6cm(180g)
もち麦(ゆでたもの)...大さじ4
白菜キムチ...35g
だし汁(煮干し)...1と1/2カップ
カットわかめ(乾燥)...2g
みそ...大さじ1/2

作り方
① 大根は短冊切りにする。キムチは食べやすく切る。

② 鍋にだし汁、大根を入れて弱めの中火にかけ、4分ほど煮る。大根がやわらかくなったらわかめ、キムチを加え、みそを溶き入れる。もち麦を加え、煮立つ直前に火からおろす。

【もち麦のゆで方】

鍋にたっぷりの湯を沸かし、もち麦1カップを入れて15分ゆでる。ざるに上げて流水で洗い、水けをきる。多めにゆでておくと、スープやサラダ、ハンバーグやつくねの肉だねに混ぜるなど気軽に使える。冷蔵で4日、冷凍で2週間保存可。

しょうがの香りがアクセント
「豚ごぼうの塩麹スープ」

筋力アップ、骨の強化、腸活...。5つの目的別で紹介する「健康スープ」特集【まとめ】 2011_P052_02.jpg1人分146kcal/塩分1.1g

食物繊維が豊富なごぼうがたっぷり。味つけに発酵食品の塩麹を使い、腸内バランスをととのえます。

材料(2人分)
豚薄切り肉...80g
ごぼう...1/2本
キャベツ...1/6個
こしょう...少々
ごま油...大さじ1/2
しょうがのみじん切り...大さじ1
(A)水...2カップ
(A)塩麹...小さじ2
(A)しょうゆ...小さじ1

作り方
① 豚肉は細切りにし、こしょうをふる。ごぼうはささがきにし、キャベツはひと口大に切る。

② 鍋にごま油、しょうがを入れて弱火にかける。香りが出てきたら豚肉、ごぼうを加えて中火で炒め、肉の色が変わったらキャベツを加えてさっと炒める。

Aを加え、ふたをして弱火で8~10分煮る。

▶詳しい記事はこちら:スープにすれば不足分が効率よく摂れる!腸活におすすめ「食物繊維スープ」レシピ

4.認知症予防に。脳の活性化スープ

血管をしなやかにする栄養素が豊富な魚。スープ仕立てにしていつもと違う味わいに。

切り身魚を1人分1切れのおかずスープ

「焼きぶりと白菜のすまし汁」

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1人分259kcal/塩分1.3g

焼いて加えるだけで、ボリューム満点のスープに。ぶりに多く含まれるDHA、EPAがたっぷり摂取できます。

材料(2人分)

ぶりの切り身...2切れ
白菜...1/8個
しめじ...1/2パック
(A)だし汁(昆布)...2カップ
(A)薄口しょうゆ...小さじ1/2
(A)塩、こしょう...各適量

作り方
① 白菜は食べやすい大きさに切り、しめじは石づきを取ってほぐす。ぶりは塩、こしょう各適量をふり、魚焼きグリルで軽く焼き目がつくまで焼いて中まで火を通す。

② 鍋にAを入れて火にかけ、煮立ったら白菜としめじを加えて弱めの中火で5分ほど煮る。ぶりを加えてさっと煮て、塩、こしょう各適量で味をととのえる。

香ばしく焼くひと手間で、グンとおいしく!
「焼きたらとにんじんのスープ」

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1人分153kcal/塩分1.3g

良質なたんぱく質、ビタミンA、C、Eなど脳に大切な栄養素がまんべんなく摂れるスープ。青魚が苦手な人にもおすすめです。

材料(2人分)

生たらの切り身...2切れ
にんじん...1/2本
セロリ...1/2本
オリーブ油...大さじ1
にんにくのみじん切り...1片分
白ワイン...大さじ1
(A)水...11/2カップ
(A)鶏がらスープの素...小さじ1/4
塩、粗びき黒こしょう...各適量
タイム(あれば)...少々

作り方
① たらは3~4等分に切り、塩、粗びき黒こしょう各少々をふる。にんじんはピーラーで薄く削り、セロリは2~3等分の長さに切って薄切りにする。

② フライパンにオリーブ油を熱し、たらを焼く。両面にうっすらと焼き色がついたらフライパンを傾けて油を集め、にんにくを加えて香りを油に移す。

③ 香りが出てきたらセロリ、にんじんを加えてさっと炒める。白ワインを加え、煮立ったらAを加えて1~2分煮る。塩適量で味をととのえ、粗びき黒こしょう適量をふる。器に盛り、タイムをのせる。

▶詳しい記事はこちら:スープ仕立てにしていつもと違う味わいに。認知症を予防する「脳の活性化スープ」レシピ

5.肌に効く!ビタミンスープ

皮膚の老化予防に役立つのがビタミンA、C、E。たっぷりの緑黄色野菜でハリとツヤを保ちます。

野菜の滋味を味わう濃厚ポタージュ
「かぼちゃのポタージュ」

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1人分180kcal/塩分0.6g

美肌に役立つビタミンA、C、Eの含有量がトップクラスのかぼちゃ。食物繊維も多く、腸内環境をととのえて肌の調子を改善します。

材料(2人分)
かぼちゃ...小1/8個(250g)
玉ねぎ...1/4個
バター...小さじ1
水、牛乳...各3/4カップ
塩、こしょう...各少々

作り方
① かぼちゃは3cm角に切って耐熱容器に入れ、ふんわりラップをかけて電子レンジ600Wで3分30秒加熱する。竹串が通るくらいになったら皮を除く(飾り用に少し残す)。玉ねぎは薄切りにする。

② 鍋にバターを溶かし、玉ねぎを炒める。しんなりしたらかぼちゃ、水を加えて3分煮る。牛乳を加えて沸騰直前まで温める。

③ ②をミキサーまたはブレンダーでなめらかにし、塩、こしょうで味をととのえる。器に盛り、①で残したかぼちゃの皮を刻んでのせる。

※ミキサーがない場合は、玉ねぎをみじん切りにして同様に作り、牛乳を加える前にフォークでつぶす。

▶詳しい記事はこちら:カボチャとレモンの恵みをたっぷり味わって。肌が喜ぶ「ビタミンスープ」2選

【まとめ読み】特集「おいしい健康スープ」記事リスト

取材/坂本典子、佐藤由香(シェルト* ゴ) 撮影/吉田篤史

 

<教えてくれた人>
管理栄養士・料理研究家
成澤文子(なりさわ・あやこ)さん
家庭で簡単に作れる本格レシピが人気。テレビや雑誌、企業等へのレシピ考案で活躍するほか、食育指導や特定保健指導など、健康支援でも活動。『作りおき&朝10分糖質オフのラクチン弁当365』(学研プラス)など著書多数。

この記事は『毎日が発見』2020年11月号に掲載の情報です。

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