DVやハラスメント、性犯罪に娘のいじめ...「女性が巻き込まれやすいトラブル」は数多くあります。でも、そうした悩みを解決したくても、「誰かに相談したら逆に悪化するかも...」とどうしていいかわからない人も多いと言います。そこで、弁護士の上谷さくらさんと岸本学さんの著書『おとめ六法』(KADOKAWA)より、女性の味方になってくれる「法律」についてご紹介。ぜひ、ご自身やお子さんがトラブルの参考にしてください。
夫婦といえない間柄
別居は、夫婦が別々に住んでいることを指します。
離婚で争いになる場合、裁判所が離婚を認める基準の一つに「別居期間の長さ」がありますが、家庭内別居では別々に住んでいないので、別居とみなされないのが原則です。
そのため、「長年、家庭内別居の状態」といくら主張しても、それだけで「夫婦関係が破綻している」という判断はされません。
「まったく会話がない」「お互い顔を合わせないように、生活の時間帯をズラしている」などの事情があれば、夫婦関係が悪化していたこと自体は認定される可能性があります。
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単身赴任は別居扱いになる?
単身赴任は基本的に別居ではありません。
状況によっては頻繁に自宅に帰るのが難しいこともあるからです。
別居と認定することは困難な場合がほとんどだと考えられます。
【事例1】
家庭内別居中に相手が不倫をした。慰謝料請求は行いたい。
【ANSWER】
家庭内別居は、「夫婦関係の破綻」とみなされない可能性が高いため、慰謝料請求が可能です。
【事例2】
配偶者の不倫。関係を見直すために別居することに。離婚も見据えて準備しておくべきことは?
【ANSWER】
夫婦の共有財産の確認をすることが大事です。
名義にかかわらず、預貯金の口座を把握する、生命保険の有無、生命保険のタイプ(学資保険は忘れがちなので注意!)、会社で財形貯蓄がないか、有価証券の有無、車両の有無、などを確認しましょう。
子どもがいる場合は、転校するのか、生活費はどうするのか、働いている間に預ける場所はあるかどうかを確認します。
別居した親と子どもの関わり方についても、約束事を決めておきましょう。
浮気が原因で別居する場合は、浮気の証拠も確保しておきましょう。
浮気について相手が認めてそれで別居する、ということがわかる証拠(会話の録音、録画など)を作っておくのがよいでしょう。
【事例3】
専業主婦だった自分にはすぐ十分な収入が見込めない。別居中は夫に生活費を頼める?
【ANSWER】
「婚姻費用」を支払うべき法律上の義務があります。
任意で渡してくれないようであれば、家裁に調停を申し立てるべきです。
支払義務者が拒否しても、裁判所が「いくら払うように」と決めてくれます。
支払われない場合、給与の差し押さえができます。
ほかにも書籍では、恋愛・くらし・しごと・結婚など6つの章だてで、女性に起こりうる様々なトラブルに「どう法的に対処すべきか」が解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。
六法やDV防止法、ストーカー規制法...。女性の一生に寄り添う大切な法律が、6章にわたって解説されています。