より正確になった「歩数計」。歩行か否かも判断可能/すごい技術

pixta_9944176_S.jpg私たちは毎日身のまわりの「便利なモノ」のおかげで快適に暮らしています。でもそれらがどういう仕組みなのか、よく知らないままにお付き合いしていませんか?

身近なモノに秘められた"感動もの"の技術を、書籍『身のまわりのすごい技術大百科』がわかりやすく解説します!

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歩数計

近頃の健康ブームに乗って、歩数計が人気である。自分の運動不足を手軽にチェックできる便利なアイテムだ。

1歩歩くとカウントが「1」増える装置が歩数計である。万歩計(まんぽけい)というほうがよく通じるが、この名称は山佐時計計器の登録商標。一般の呼称としては「歩数計」が使われる。最近の歩数計はカバンの中に入れておくだけで、しっかりと歩数を測定してくれるが、中身はどうなっているのだろうか。

gijutsu_p185.jpgまず、古典的な「振り子式」の歩数計のしくみを調べてみよう。これは、中身に振り子が入っており、1歩歩いて振り子が触れるたびに通電してカウントが1増えるようになっている。現在の安価に売られている歩数計のほとんどはこのタイプである。

振り子は磁石(じしゃく)スイッチの機能も果たす。磁石が近づくと電気がON・OFFするスイッチである。冷蔵庫や折り畳み式携帯電話を開いたとき電気が入り点灯するのにも利用されている。ただし、振り子式には欠点がある。振り子が地面に垂直になるよう腰にしっかり取りつけないとカウントされないのだ。ファッションを気にする女性や若者には、これが不人気であった。また、振動をカウントする方法なので、歩行以外の振動もカウントしてしまい不正確という欠点もあった。

そこで登場したのが「加速度センサー式」の歩数計である。これは歩くリズムをマイクロコンピューターが判断し、他の振動と区別する。小さな振動でも歩行とそうでない振動とを区別でき、カバンの中に入れていても正確に測定できる。現在の歩数計ブームは、この利便性に負うところが大きい。加速度センサーには通常、圧電素子(あつでんそし)が利用されている。これはピエゾ素子とも呼ばれ、力を電圧に変換する。その電圧の変化をマイクロコンピューターが解析して、震動が歩行か否(いな)かを判断するのである。

gijutsu_p187.jpg健康ブームに乗って、近年は歩数計と他の機能を組み合わせた商品も人気である。例えば、自動的にカロリー消費量を算出してくれるものがある。また、歩数計機能を搭載した携帯電話やスマートフォンも登場している。

 

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涌井良幸(わくい・よしゆき)

1950年、東京都生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)数学科を卒業後、千葉県立高等学校の教職に就く。教職退職後の現在は著作活動に専念している。貞美の実兄。


涌井貞美(わくいさだみ)

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。現在は書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。良幸の実弟。


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『身のまわりのすごい技術大百科』

(涌井良幸・涌井貞美/KADOKAWA)

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この記事は書籍『身のまわりのすごい技術大百科』からの抜粋です

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