私たちは毎日身のまわりの「便利なモノ」のおかげで快適に暮らしています。でもそれらがどういう仕組みなのか、よく知らないままにお付き合いしていませんか?
身近なモノに秘められた"感動もの"の技術をわかりやすく解説します!
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前の記事「より正確になった歩数計。歩行か否かも判断可/すごい技術(28)」はこちら。
●バーコード
多くの商品にはバーコードがついている。携帯電話で情報交換に利用されるQRコードは、そのバーコードの発展形である。
スーパーなどで見るほとんどの商品には、白黒の縞(しま)模様が印刷・貼付(ちょうふ)されている。この模様がバーコードである。その下には13桁(けた)か8桁の数字が書き込まれているが、白黒の縞の幅の違いでそれらの数字を表現しているのだ。読み取り機はこの縞模様にレーザー光を当て、その反射光からコードを識別するのである。
日本の多くの商品につけられたバーコードはJANコードという規格にしたがっている。国コード、メーカーコード、商品項目コードが順にコード化されている。ちなみに最後の1桁はチェック用に用いられる。
バーコードの最大の「売り」はその安さと扱いやすさである。商品にバーの模様を印刷したりシールを貼りつけたりするだけで、バーコードとして利用できる。
現在、バーコードはPOS(ポス)システムと呼ばれる流通システムの要(かなめ)である。商品情報が刷り込まれたこのコードのおかげで、店に在庫がどれくらいあるか、どの製品がよく売れているかなどを細かく管理できるからだ。コンビニの商品流通が可能なのも、バーコードのおかげといっても過言ではない。
バーコードの欠点は、表現できる情報量が少ないことだ。たかだか13の数字の情報では、現代の複雑な流通では力不足である。そこで、現在ではデンソーが開発したQRコードもよく利用されている。携帯電話のカメラで利用している読者も多いだろう。バーコードの一次元模様を二次元化することで、情報量を飛躍的に大きくできる。平面的に配置されたバーコードはほかにもあるが、主流にはなっていない。
ちなみに、書籍のバーコードはISBNコードにしたがっており、ポテトチップスなどの日本の商品コード(JANコード)とは異なっている。ISBNコードは世界中の本を管理することを目的としているからだ。また、Cコードなどを含んだバーコードも併記されている。Cコードは図書の分類を目的としたコードである。