仙台市で生まれ、夫と息子、母、猫3匹と「なんにもない」部屋で暮らす人気漫画家のゆるりまいさん。今回お届けするのは、ゆるりまいさんが住んでいた「汚家」(モノが多く、とんでもなく散らかった家のこと)時代のエピソード。年末の「大掃除」が唯一、「片付けができる」時だったそうで...⁉
前回のエピソード:「本当に必要なものって...」モノにあふれた実家が被災してわかったこと
大掃除、する派?しない派?
今年も残すところあとわずか。皆様の家では大掃除の真っ最中ですか?終わりましたか?
それとも...あえてしない派!なんて方もいるかもですね。
ちなみに、私は「絶対する派」です!私、大掃除が大好きなんです!
その昔、汚家が唯一キレイになる時期だった
我が家は元々汚家。
片付けられない祖母と母と暮らしていたので、家はエブリデイ汚家だったのですが、毎年、新年だけはちょっとだけキレイになっていました。
なぜかというと、祖母には
「新年をキレイな家で迎えなければ、良い年は越せない」
というモットーがあり、
一年に一度だけ、祖母と母が超絶やる気を出すから
です。
普段は私が掃除や片付けをすると、ケンカに発展しがちだったのですが、年末の大掃除だけは全員が協力体制を組み、家中をキレイできる唯一の機会。
これをみすみす逃すなんて勿体無いこと、できません。
当時の私は、この時期になると、そわそわワクワクしていました。
ゴミ処理場に行くのも毎年の恒例行事だった!
いつもなら「これ捨てたら?」なんて言おうもんなら烈火のごとく怒っていた祖母も、この時になると捨てのハードルがグググっと下がるのか、「そうねぇ、勿体無いけど捨てようか」と言ってくれました。
だから、大掃除期間中は大きいゴミ袋がいくつも出現。
それをゴミ処理場に持ち込みゴミとして持っていくのが毎年の恒例行事でした。
せっかく行くのなら...と、普段だったら億劫で捨てるなんて考えなかった大型の不用品なんかも、一緒に捨てに行くことができました。
そしていくらかスッキリした家を家族みんなで掃除しました。
一致団結して汚家をキレイにしている......これは、当時孤立無援で家を片付けようとしていた私には、とても嬉しかった......!
振り返ってみればまだまだ汚く、今の家に比べればものだらけの家でしたし、汚家問題が根本的に解決しているわけではなかったので、2週間もすれば元通りになるのですが、それでもなんとかキレイになった家で、除夜の鐘を聞くのが至極の幸せでした。
その記憶があるからか、今の家になっても大掃除は絶対にやります。
きっとあのワクワクした気持ちと、家族が一致団結した思い出が心に残っているからなんでしょう。
もう祖母は亡くなってしまったので、一緒に大掃除をすることはできないけれど、きっと天国でも「大掃除くらいはやるかね!」と言ってやる気を出しているんだろうなと思うと、私も負けていられませんね!
頑張ってキレイにして、良い新年を迎えたいと思います。
皆様も良いお年を!また来年、お会いしましょう!
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