ものを持たない暮らしを志して早十数年のゆるりまいです。
前回のエピソード:"汚家"育ちのミニマリスト。家族の意識を変えた出来事とは
我が家が汚家から今の家になり、家の中が整うようになって変わったこと。
それは「私って幸せかもしれない......!」と思えるようになったことだと思います。
残念ながら宝くじが当たったり、おみくじで大吉が続いたり、豪華景品をゲットしたことはありませんが、"心の幸福度"は桁違いに上がりました。
それは本当に些細な日常の合間に感じること。家が散らかっていても、ちょっと片付けたらすぐ片付いた時、お気に入りの椅子が朝日に当たって美しく見えた時、作った料理が美味しくできてそれを片付いたテーブルで家族みんなと食べた時、洗濯したてのシーツにくるまって眠る息子と夫の寝顔を見た時。。。そんなことで!?と驚かれてしまうかもしれませんが、私にとっては本当に幸せなことです。
くじ運等は悪いままだし嫌なことや悲しいことも多々起こりますが、それでもこの片付いた家を見回したら「まぁなんとか頑張ろう」と前向きな気持ちにしてくれます。
反対に言えば、これらのことは汚家時代にはまったく感じられなかったこと。
片付けても片付けてもまったく片付かないし、お気に入りの家具を買ったとしても汚家の中ではパッとしないし、料理を作ろうとしてもキッチンが散らかっていて取り掛かるまでに時間がかかるし、食べようとしてもダイニングテーブルが物だらけでお皿を広げられない......そんな毎日でした。
しかし人間、それでも生きてはいけます。家がどんなに汚かろうと物が散乱していようと、普通に生活できてしまうのです。けれど、綺麗な家と汚い家の圧倒的な違いがあります。それは住む人間に与える"ストレス"の量です。
例えば、物が積まれて作業しようにもできない机や、前を通るたびに体にぶつかり落ちそうになる洋服ラック、お風呂に入るたび視界に入るこびりついた水垢やカビetc...これら"暮らしのノイズ"は人間に小さなイライラを与えます。
でも慣れてしまうと、私たちは案外イライラに気がつくことはできません。そういうものだと受け入れてしまっているからです。しかしこのイライラは日常の至るところに潜んでいて、確実にストレスを増やしていきます。するとどうなるか。人の心はだんだんと荒んできてしまうのです。
本来、家というものは心と体を休める場所。外で頑張ってきて、家に入って「ほっ...」と一息つく場所でありたい。なのに、その大事な場所で見えないストレスたちに攻撃されてイライラするのはもったいないと思うのです。
片付けはそんなストレスを撃退する手段だと思っています。例えば、クローゼットを整理する→スペースにゆとりができる→しまっている服にしわがつきにくくなる&収納している服が見やすくなりコーディネートがしやすくなる→おしゃれが楽しくなり日々の暮らしに張り合いが生まれる......なんていう風に、暮らしのノイズを消し去ることで、生活のストレスが緩和され、「あれ?なんか最近ちょっといいかも!」といった小さな幸せが心の中に芽生えるようになるのです。
片付けの面白いことの中に、ひとつ片付けると、それが芋づる式に効果をもたらしてくれることが多々あるということ。暮らしは繋がっているので、自然といい方向に進んでいくのだと思います。
さらに、この「最近ちょっといいかも!」という気持ちは、すぐ隣にいる人に伝播していくものでもあります。つまり家族にも効果をもたらしてくれるのです。
実際、我が家でも汚家時代は本当に本当に本当--------に喧嘩ばかりしていました。喧嘩三昧で、何度「こんな家出てってやる!」と思ったことでしょうか......。きっと汚家の頃は、祖母も母も私も見えないストレスをたくさん受けていたので、頻繁にイライラしていたし、喧嘩の火種がそこら中に落ちていて些細なことでもどっかーーんと爆発していたのかもしれません。
家が整っていくにつれて、面白いほどどんどん喧嘩が減っていき、現在は多分ゆるり家史上最高の家族仲になっています。そう考えてみると、住環境が人に与える影響は計り知れないものがあるなと思わざるを得ません。「最近いい感じかも...」という気持ちが積み重なると、「あらやだ!私、幸せかも...!」になっていくもの。家の気になる場所をたった一箇所だけでもいいので、片付けてみてはいかがですか?きっと終わった後には心がすっとしているはずですよ。
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