定期誌「毎日が発見」読者の皆さんに実施したアンケートで、多くの方からいただいたのが「家」の悩み。そこで、災害から家を守る方法や、家を売却して住み替える方法、ご近所トラブルの対処法などを特集し、連載形式で配信します。今回は、「我が家を火災から守る方法」について、東京理科大学 火災科学研究所所長の萩原一郎先生にお聞きしました。
自分の家を火災から守るにはどうしたらいいのでしょうか?
「自分の家から火を出さないのはもちろん、自分の家に火を入れないことも大切。そうならないよう普段から対策を立てておきましょう」と萩原一郎先生は話します。具体的な対策について尋ねると、「部屋のカーテンを防炎にしたり、火災を早く発見するため、火災警報器の取り付けもおすすめ。隣家から出火すると火は窓からこちらに燃え移るので、火をもらわないようにすることも重要です」と萩原先生。
例えば、隣の家との間に塀や常緑樹を配したり、防火設備仕様の窓にするのも有効だといいます。日頃からさまざまに準備しておきましょう。
原則1.日頃から点検しておきましょう
日頃から家の中を点検しておくことが大切。防炎カーテンや消火器の設置のほか、火災警報器などを取り付けるのもいいでしょう。また、ストーブやコンロの周りに燃えやすいものを置かないこと。コンセントやたこ足配線にほこりがたまって、出火する恐れもあるので、こまめに掃除をしましょう。
原則2.日頃から対策を考えましょう
地震の対策はしていても、火事には無防備な人が多いようです。出火したら、どのように火が燃え広がりそうかをイメージしておきましょう。特に深夜の出火は気付かず逃げ遅れることが多いので、通常通っている動線以外に、たとえばベランダから逃げられるようはしごを準備するなど、逃げるルートを考えておくこと。
原則3.火を入れないようにしましょう
隣家から出火すると、通常窓から火が出て隣へ燃え移ります。消防車が到着するまでの間、火が燃え移らないよう時間稼ぎするのも含めて有効なのが、ブロック塀や防火(耐火)ガラスで、火を遮ってくれます。また常緑樹(水分があるもの)もおすすめです。
原則4.火の粉に注意しましょう
大規模な火災になり、風が吹くと、火の粉が飛んでくる恐れもあります。屋根のさんにゴミがたまっていると燃え移る可能性があるので気を付けましょう。さらに40~50年前に建てた家の屋根や壁のサイディング(板状の外壁材)は、きちんとメンテナンスしていないと、隙間から火の粉が入って着火する恐れもあります。
取材・文/中沢文子 イラスト/コウゼン アヤコ 取材協力/一般財団法人 日本建築防災協会