ウォーキングの途中に、季節によって彩りを変える草花を眺めるのも楽しいものです。美しい花を見かけたときにカメラやスマホで撮影する人も少なくないのでは? どうせ撮るなら、より美しく撮りたいですよね。今回は「撮る角度」について。プロのカメラマンにコツを教えてもらいました。
前の記事「「構図の工夫でこんなに変わる!」/プロが教える"花の写真"のコツ/花の写真のコツ(1)」はこちら。
撮り方を変えることが上達への近道
同じ花でも、撮る角度やカメラからの距離によって、趣が異なる写真が撮れます。撮りたい花を見つけたら、しゃがんで見上げてみたり、真上から見下ろしてみたりして、きれいに見える角度や構図を探してみましょう。
花を美しく撮るテクニックとして「接写」もあります。ただし、被写体にどれだけ近付いて撮影できるのかは機種によって異なります。デジカメで撮る場合は、「マクロ(被写体を至近距離から撮影すること。「接写」ともいう)」「花」などの撮影モードに設定して撮ってみてください。花に近付けない場合やピントが合いにくいときは、ズーム機能も使ってみましょう。
撮る角度によって雰囲気が変わります
見上げるように撮影
花を見上げるようなアングルで撮影すると、生命力が感じられる、力強く見える写真が撮れます。背景を青空にすることで、花の色を際立たせる効果も得られます。
首を垂れて咲くスイセンは、見上げるように撮ると花の表情を捉えやすい。
◎プロのひと工夫!
土手に咲く花などが格好の被写体。レンズを上に向けて撮りましょう。
見下ろすように撮影
花の種類にもよりますが、角度を変えて見ると異なる表情を捉えることができます。見下ろすように撮る場合、地面が背景になるので、地面をどう見せるかも工夫してみましょう。見栄えがしない地面なら隠すのも一案です。
上の写真のように、地面に白いレフ板を置いて、スイセンを見下ろすアングルで撮影。花のかれんさが際立つ
地面を背景にして撮影した場合も、背景をぼかせば花が際立ちます。
◎プロのひと工夫!
背景となる地面に、光を反射させるレフ板(ばん)を置いた。白い紙や布でも代用できます。
被写体にぐっと近づいてみましょう
マクロモードまたはズームを使う
花に近付き過ぎるとピントが合わずにボケてしまうことがあります。「マクロ」「花」といった撮影モードがあれば、それに設定して撮ってみましょう。花に近付けない状況では、ズーム機能を活用してください。
肉眼ではわかりにくい花の特徴も記録できます。
デジカメは光学ズームであれば、ズームを使ってもきれいな画質で撮れます。
◎プロのひと工夫!
スマートフォンは、画面に当てた2本の指を開くように動かすとズームが可能。ただし、画質は劣化しがちです。デジカメは「マクロ」モードや、花の印を探してみましょう。近付くと自動でマクロになる機種も。
次の記事「逆光&背景をぼかすテクニック/プロが教える「花の写真」のコツ/花の写真のコツ(3)」はこちら。
取材・文/村元正剛 撮影/桃井一至