「健康のために歩きましょう!」と病院でいわれて歩き始めたけれど、続かない、効果が出ない...という経験はありませんか? それはもしかしたら「ただ歩いているだけ」だからかもしれません。信州大学特任教授で医学博士の能勢博先生に、細胞レベルから若返りの効果が得られる「ちょい速ウォーキング」の極意を教えてもらいました!
ただ歩くだけでは得られない美容・健康効果が!
能勢博先生は、かつて長野県松本市の健康増進運動を指導し「一日一万歩を目標によく歩く」ことを提唱してメタボ改善、健康づくり運動をスタートさせましたが、思うような結果が出ませんでした。
「ただ歩くだけでは健康増進やメタボ改善にあまり役立たないことがわかり、試行錯誤をすることで『インターバル速歩』にすごい効果があるのを発見しました。速歩きとゆっくり歩きを繰り返すだけなので、時間がかからず続けられると大好評でした」
ここでは能勢先生の説明をアレンジして、インターバル速歩を「ちょい速ウオーキング」と呼びます。例えば、ゆっくり歩きと速歩きを3分ずつ1日5セット(30分)、週4回実施するのが目標ですが、忙しい方は、週1回でも2回でも大丈夫。
「速歩きの目安は、いつもの歩幅より女性は3cm、男性は5cmほど大股で『ちょっと息が上がってキツイな』と感じるくらいのスピード。それで3分間歩きます。人によって強度が異なりますので、できれば最初にスポーツクラブなどで『最高酸素摂取量」(歩行運動での個人の最大体力)を測定してもらい、その70%を目安に歩くことをおすすめします。スマホをお持ちであれば、私たちが開発したアプリ(アプリ名は「インターバル速歩」)を使うのもオススメです」
「ちょい速ウオーキング」はこんな効果がある!
・脳の働きが活発になる
・肝臓が若返る
・血管が強くなり、動脈硬化の予防に
・自律神経の乱れを整える
・骨が強くなり、足腰から若くなる
・生活習慣病に悩まない体になる
【やり方】
ちょい速ウオーキングは「ゆっくり」と「速歩き」を交互に
ゆっくり歩きと大股で息が上がるくらいの速歩きを3 分ずつ繰り返します。ちょい速で上がった息をゆっくり歩きで整えます。走ると転ぶ危険性があったり、心臓や肺に負担をかけ過ぎるので注意。気持ちよく汗をかいて、軽い疲労感があるくらいでOKです。
いつもの歩幅より男性は5cm、女性は3cmくらい大股で
【目安は】
1日30分×週4日=週に120分
●こんなやり方でも
1日3回タイプ 朝(12分)+昼(6分)+夜(12分)×週4日
1日2回タイプ 朝(18分)+夜(12分)×週4日
週末土日タイプ 土曜日(60分)+日曜日(60分)
週4回もできない...という人は、週1回でも2回でも大丈夫。一度に歩く時間も自由にアレンジしてください。1週間の合計が120分(速歩きの合計が60 分)になればOKです。
次の記事「姿勢よく、大きめ歩幅がポイント!「ちょい速ウオーキング」の注意点(2)」はこちら。
取材・文/宇山恵子 撮影/斉藤ジン