ウォーキングの途中に、季節によって彩りを変える草花を眺めるのも楽しいものです。美しい花を見かけたときにカメラやスマホで撮影する人も少なくないのでは? どうせ撮るなら、より美しく撮りたいですよね。プロのカメラマンにコツを教えてもらいました。第1回は「構図の工夫」です。
いつもとは少し違う視点で撮ってみましょう
まずは構図を工夫してみましょう。花にぐっと近づいてみたり、あえて中心から構図を外したり。いつもと少し構図を変えるだけで、花の存在感がぐんと際立ちます。手ブレが気になるときは、コンパクトデジカメなら、カメラはなるべく両手で構えましょう。左手で下から支えるように持つと安定性が増して、ブレを防げます。スマートフォンの場合は、ほとんどの機種は側面のボタンを押しても撮影できます。画面をタッチするよりも、安定してシャッターが切れます。
極意 その1
花を大きく写すと特徴が際立ちます
花を美しく写す基本は、花そのものをなるべく大きく写すこと。梅や桜など木に咲く花は、つい全体を捉えがちですが、きれいに見える花にぐっと近付いて撮ってみましょう。花の特徴が際立つ写真になります
【Before】
ちらほらと咲き始めた梅の木を撮影。画面における花の割合が少なく、花の存在感が薄くなりがち。
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【After】
梅の木に近付いて、きれいに見える花にピントを合わせて撮影。
極意 その2
咲き乱れる花を美しく収める
たくさんの花が咲き乱れる花畑などを撮影する場合は、画面にどのように花を収めるかで印象が変わります。写したいものをできるだけ広く、大きく捉えて、不要なものが写り込まないように構図を工夫してみてください。
【Before】
菜の花畑の後ろにある枯れた林も画面に収めたために、菜の花の存在感が弱まってしまった。
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【After】
菜の花畑の後ろに林があったが、カメラの高さを下げて、林を隠して撮影した。
極意 その3
あえて中心からずらす構図もオススメ
花を撮影する際、画面の中央に花を配置してシャッターを押していませんか? 悪くはありませんが、月並みな写真になりがちです。際立たせたい花をあえて中心からずらす構図でも撮ってみましょう。より趣が感じられる一枚になります。
スイセンの花をあえて中央からずらして撮影。プロが撮ったかのような雰囲気に。
青空を背景に、梅の花を撮影。はがきサイズにプリントして、お便りを書くのも良案。
次の記事「「撮る角度で雰囲気をチェンジ!」/プロが教える"花の写真"のコツ/花の写真のコツ(2)」はこちら。
取材・文/村元正剛 撮影/桃井一至