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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。
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雨粒の「プリズム」が生み出す美しい自然現象。
虹は7色ではない!?
虹を紫、藍、青、緑、黄、橙(だいだい)、赤の7色と表現したのは、かの有名な科学者ニュートンです。ドレミの七音音階に関係づけたからといわれます。300年前のヨーロッパでは、音楽と自然現象を結びつけることがはやっていたのでしょう。しかし、よく見ると、虹に色の境(さかい)などなく、無限の色を含んでいます。
国や文化によって虹の色表現は異なります。米国では「紫、青、緑、黄、橙、赤」の6色、ドイツでは「青、緑、黄、橙、赤」の5色。日本でも、江戸時代は5色と表現されていました。「7色」は人類普遍ではないのです。
では、その虹はどうしてできるのでしょうか。それは、大気の中の雨粒がプリズムと同じ働きをすることから生まれます。
プリズムは三角形の透明ガラスでできています。光はガラスの中で波長ごと(つまり色ごと)に曲がり方が異なります。この性質が太陽の光を虹に分離するのです。
三角形のプリズムで得られる虹は直線状です。雨粒は球形なので、三角形のプリズムと異なり、空にできる虹は弓(ゆみ)形になります。
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