さまざまな生物のすぐれた能力。私たちの暮らす地球の驚くべき事実。メディアをにぎわせる「最新科学」のニュース。驚くべき速さで進歩するITの話題。世の中には、学校では教わらなかった現代科学の話題があふれています。
職場で、学校で、家庭で。明日の雑談のネタにピッタリな、知っておくと自慢できる「科学の雑学」をお届け!
※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。
前の記事「恒星から近すぎず、遠すぎず。ほどよい距離が生命生存の鍵/身近な科学(38)」はこちら。
「超新星爆発」は寿命間近な星の異変。
ベテルギウスはすでに爆発している!?
冬の夜空を代表する星座といえばオリオン座でしょう。オリオン座の三ツ星は多くの人に知られていますが、三ツ星の左上に赤く輝く星があります。一等星ベテルギウスです。
そのベテルギウスに最近、異変が起きています。星の明るさが肉眼でも観察できるほど揺らいでいるのです。それはまるで、断末魔の喘(あえ)ぎにも思えます。
重い星の寿命は短く、特に太陽の8倍以上の重さの星は超新星爆発を起こします。太陽の約20倍のベテルギウスも、超新星爆発することが約束されています。地球から640光年離れているため、私たちが見ているのは640年前の姿。実際にはもう爆発しているかもしれません。
超新星爆発のしくみは完全には解明されてはいません。内部で核融合反応の燃料となる物質が使い果たされると、温度が低下して星を支えていた圧力が下がる。すると、重力に抗(あらが)いきれず、星は一気につぶれようとしますが、その反動で大爆発が起きる。現在の理論ではそう説明されています。
超新星爆発後、ベテルギウスの場合は中心に中性子(ちゅうせいし) 星ができると予想されます。これは密度が非常に高い星で、角砂糖1個ぶんで数億トンにもなると考えられています。
次の記事「地球は真ん丸ではなかった! 赤道面が膨れた「洋ナシ型」/身近な科学(40)」はこちら。