実はすでに爆発している? オリオン座から聞こえる断末魔の叫び/身近な科学

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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。

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「超新星爆発」は寿命間近な星の異変。
ベテルギウスはすでに爆発している!?

冬の夜空を代表する星座といえばオリオン座でしょう。オリオン座の三ツ星は多くの人に知られていますが、三ツ星の左上に赤く輝く星があります。一等星ベテルギウスです。

そのベテルギウスに最近、異変が起きています。星の明るさが肉眼でも観察できるほど揺らいでいるのです。それはまるで、断末魔の喘(あえ)ぎにも思えます。

重い星の寿命は短く、特に太陽の8倍以上の重さの星は超新星爆発を起こします。太陽の約20倍のベテルギウスも、超新星爆発することが約束されています。地球から640光年離れているため、私たちが見ているのは640年前の姿。実際にはもう爆発しているかもしれません。

超新星爆発のしくみは完全には解明されてはいません。内部で核融合反応の燃料となる物質が使い果たされると、温度が低下して星を支えていた圧力が下がる。すると、重力に抗(あらが)いきれず、星は一気につぶれようとしますが、その反動で大爆発が起きる。現在の理論ではそう説明されています。p159.jpg

超新星爆発後、ベテルギウスの場合は中心に中性子(ちゅうせいし) 星ができると予想されます。これは密度が非常に高い星で、角砂糖1個ぶんで数億トンにもなると考えられています。

 

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涌井貞美(わくい さだみ)

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。現在は書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。著書は、『図解 身近な科学 信じられない本当の話』『雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科』(以上KADOKAWA)、『Excelでわかるディープラーニング超入門』『ディープラーニングがわかる数学入門』(以上、技術評論社)、『「物理・化学」の法則・原理・公式がまとめてわかる事典』(ベレ出版)、『図解・ベイズ統計「超」入門』(SBクリエイティブ)など多数。

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『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』

(涌井貞美/KADOKAWA)

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この記事は書籍『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』からの抜粋です。

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