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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。
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人間とは違う極彩色が見えている!?
鳥が見る「色」は4原色だった
テレビ画面は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色を組み合わせて色を表現しますが、これを光の3原色といいます。ところで、もしも人間以外の動物がテレビをつくるとしたら、やはり3原色で表現するのでしょうか。
答えは「ノー」です。魚がつくるならR、Bの2原色、鳥の多くはなんとRGBと紫外領域(しがいりょういき)の光を合わせた4原色なのです。鳥がテレビ局をつくったなら、放送される映像は極彩色できらびやかな色合いになるでしょう。
網膜にある視(し)細胞には、桿体(かんたい)細胞と錐体(すいたい)細胞があり、色を区別する錐体細胞には、色 [つまり光の波長(はちょう)]ごとに感度の異なる種類があります。たとえば人なら赤、緑、青に強く反応する3種の錐体細胞があり、色が3原色になる理由になります。
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つまり、鳥は4つ、魚は2つの異なる種類の錐体細胞があるということです。
人間の中にも4原色を見分けられる人がいるといわれます。そのような人の描く絵はきらびやかですが、一般の人が鑑賞できるところを見ると偽(いつわ)りのようにも感じます。