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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。
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アインシュタインが解き明かした核融合(かくゆうごう)反応。
太陽では何が燃えている?
毎日当たり前のように見ている太陽ですが、そこではいったい何が燃えているのでしょうか。
太陽がエネルギーを放出するしくみは、地上でモノが酸素と結合してエネルギーを放出する(燃える)のとはまったく異なります。物質そのものが燃えているのです。
太陽で燃料になっているのは水素です。水素原子が太陽の中心の高温・高圧の中で互いに衝突し合い、くっついてヘリウムになります。このとき質量が失われ、減ったぶんの質量がエネルギーとして放出されるのです。これを核融合反応といいます。
この反応を解き明かしたのは、ドイツ生まれの天才物理学者アインシュタイン。彼は物質の持つ質量がエネルギーと等価であることを発見しました。かの有名な特殊相対性(とくしゅそうたいせい)理論です。物質の質量mに光の速さcの2乗をかけた値がエネルギーEになる(E=m×c²)、これをアインシュタインの公式といいます。
質量とは物質の持つ本来の個性で、地球上ではその重さの値に一致します。この公式を用いると、同じ量の水素でも、太陽は地上で燃えるときに出すエネルギーの100万倍という膨大なエネルギーを放出することができます。
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