さまざまな生物のすぐれた能力。私たちの暮らす地球の驚くべき事実。メディアをにぎわせる「最新科学」のニュース。驚くべき速さで進歩するITの話題。世の中には、学校では教わらなかった現代科学の話題があふれています。
職場で、学校で、家庭で。明日の雑談のネタにピッタリな、知っておくと自慢できる「科学の雑学」をお届け!
※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。
前の記事「地球は真ん丸ではなかった! 赤道面が膨れた「洋ナシ型」/身近な科学(40)」はこちら。
誕生時の衝突エネルギーが高温を生んだ
地球の中心は超高温の鉄の塊(かたまり)
地球の中心は、どうなっているのでしょうか。最近の研究によると、中心部では主要成分の鉄が5000~6000度近くの高温の塊になっていると考えられています。
そもそも地球の中心はなぜ熱いのか。それは、地球の誕生に秘密があります。46億年ほど前、地球は小さな惑星が衝突、合体してできました。その衝突のエネルギーが現在も地球内部の熱としてたまっているのです。ウランなどの放射性元素の崩壊エネルギーも「追い炊き」の役割を果たしています。
その高温のために物質は融け、地球内部はどろどろの液状になり、重い金属原子が次第に沈殿して中心に集まっていきます。
地球の内部で最も豊富に存在する金属元素は鉄です。結果として、鉄がどんどん中央部にたまることになります。外からのエネルギーを絶たれている地球は、次第に冷えていきます。すると、中心部の鉄は地球内部の超高圧によって固まっていったのです。
このことは観測でも確かめられています。医療用のCTやMRIと同じ原理で地震波や地磁気(ちじき)の様子を調べて地球の内部を見ると、確かに地球の内核で固体の鉄が観測されたのです。
次の記事「意外にデリケート? 地球の軸は大地震で傾くこともある/身近な科学(42)」はこちら。