ウンチの移植で病気が治る!? 健康維持に尽くす細菌に注目/身近な科学

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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。

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これを移植すれば感染(かんせん)症が改善する!?
ウンチが〝薬〟になる

大切なモノなのに疎まれるモノの1つが「便(べん)[ウンチ]」でしょう。しかし、それを上手に加工すると「薬」になることが最近わかってきました。

そもそも便がどのような成分でできているかご存じでしょうか。すべて食べ物のカスと思っている人もいるようですが、実は健康な人の便の約80パーセントは水分です。残りの固形分の3分の1が食べ物のカス、もう3分の1が古くなった腸粘膜(ねんまく)、そして最後の3分の1が腸内細菌とその死骸(しがい)です。

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なぜ、これほど多くの腸内細菌が毎日、体外に排出されるのでしょうか。それは、腸内にはさまざまな種類の細菌がすんでいて、人の健康維持に尽つくしてくれているからです。これは近年、腸内フローラと呼ばれ、注目されています。

腸内の菌には善玉菌と悪玉菌がいて、互いに勢力のバランスを保ちながら暮らしています。そのバランスが崩れると、人は体調を乱したり病気になったりします。そこで、健康な人の便を他人に移植して腸内環境を改善するという試みが、2013年、米国で初めて行なわれました。

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その結果、治りにくい腸管感染症患者の症状に大きな改善が見られたそうです。ウンチが〝薬〟に変身したのです。

 

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涌井貞美(わくい さだみ)

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。現在は書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。著書は、『図解 身近な科学 信じられない本当の話』『雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科』(以上KADOKAWA)、『Excelでわかるディープラーニング超入門』『ディープラーニングがわかる数学入門』(以上、技術評論社)、『「物理・化学」の法則・原理・公式がまとめてわかる事典』(ベレ出版)、『図解・ベイズ統計「超」入門』(SBクリエイティブ)など多数。

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『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』

(涌井貞美/KADOKAWA)

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この記事は書籍『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』からの抜粋です。
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