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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。
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明と暗を感じる細胞の驚くべきしくみ。
目の細胞は1粒の光も感知する
人の目は、どのように光を「見て」いるのでしょうか。眼球の奥には網膜(もうまく)があり、そこに光を感じ取る視(し)細胞があります。視細胞は桿体(かんたい)細胞と錐体(すいたい)細胞の2種に分けられ、それぞれが異なる役割を担っています。
桿体細胞は薄暗がりで活躍し、明暗を感知します。その感度は驚くほどで、1つの細胞が光子1個だけにも反応します。光は粒[光子(し)]の集団と考えられます。その粒一つひとつはとても小さなエネルギーしか持ちません。その微小な粒を感じ取るのはまさに奇跡。おかげで、何万光年のかなたから来る星の光を裸眼でキャッチできます。
ちなみに、ニュートリノの実験で有名な「スーパーカミオカンデ」の実験施設では、光子1個をとらえるセンサー装置は直径50センチにもなります。
もう一方の視細胞である錐体細胞は明るい場所で活躍し、色を見分けます。色ごとに異なる感度を持つ細胞から構成され、目に入る光の色を識別します。この細胞の種類が、見分けられる色の種類に一致するのです。
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