ホタルは「発光」、クラゲは「蛍光」。似て非なる、光る生き物たち/身近な科学

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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。

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ミクロの世界で起こる化学変化の相違。
ホタルとクラゲ、その発光法の違い

光を出す生き物としてホタルとクラゲがよく知られていますが、両者が発する光は似て非なるものです。それは、ミクロの世界で起こる化学変化の違いによります。

ホタルは、お尻にある発光器を使って光ります。発光器にはルシフェリンと呼ばれる発光物質と、発光を助ける酵素となるルシフェラーゼが入っています。ルシフェリンがルシフェラーゼの触媒(しょくばい)作用によって、体の中のエネルギー源ATP(アデノシン三リン酸)、さらに酸素と反応して発光するのです。

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それに比べて、クラゲの発光はもっと複雑です。オワンクラゲを例に見てみましょう。

オワンクラゲには、蛍光タンパク質のGFPと発光タンパク質のイクオリンが混在しています。興奮すると、最初にイクオリンと細胞内のカルシウムが反応、その光がGFPに当たって蛍光を発光するのです。このしくみを解明した生物学者の下村脩(しもむらおさむ)氏は2008年、ノーベル化学賞を受賞しました。

ちなみに、蛍光とは、光を吸収した物質が再放出する、その物質固有の光のことです。

 

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涌井貞美(わくい さだみ)

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。現在は書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。著書は、『図解 身近な科学 信じられない本当の話』『雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科』(以上KADOKAWA)、『Excelでわかるディープラーニング超入門』『ディープラーニングがわかる数学入門』(以上、技術評論社)、『「物理・化学」の法則・原理・公式がまとめてわかる事典』(ベレ出版)、『図解・ベイズ統計「超」入門』(SBクリエイティブ)など多数。

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『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』

(涌井貞美/KADOKAWA)

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この記事は書籍『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』からの抜粋です。
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