「いまの鳴き声はどんな意味?」「なんでいつも、ごはんをちょっとだけ残すの?」など、猫の行動にはミステリアスなところがたくさんありますよね。そこで、SNSで人気の獣医師・藤井康一さんの著書『現役獣医師が猫のホンネから不調の原因までを解説! 家ねこ大全285』(KADOKAWA)より、フードやトイレなど暮らしのコツや、不調や病気に関する医療情報など、猫についての最新情報をご紹介します。
Q.猫もうつになるってホント?
A.飼い主さんや同居猫の「ロス」をきっかけに元気をなくします
ここ数年で猫にもうつと似たような症状があることがわかってきました。
とくに仲のよかった同居猫が亡くなったり、飼い主さんや愛情をかけてくれた人が亡くなったりしたとき、「ロス」の状態で発症することが多いようです。
一緒にいた年数が長いほど発症しやすいので、8~10歳以上の猫に多く見られます。
単独行動を好む猫ですが変化には敏感です。
慣れ親しんだ猫や人の存在をちゃんとわかっているのですね。
うつになるとほとんどの猫が食欲不振になり、1~2か月ほど続くことがあります。
見るからに元気をなくし、頻繁に鳴くことも。
この場合、なるべく今までと同じ環境を取り戻すことが解決法になります。
以前の飼い主さんがやっていたように遊んであげる、同居猫との遊びが減った分、飼い主さんが一緒に遊んであげます。
さみしがっている猫の気持ちを紛らわせることが重要です。
症状が数日続き、さらに食欲が落ちていたら医師に相談しましょう。
Q.元気がないけど理由かわからない...
A.「ジーっとしている」のにはうつ、認知症、痛み...の可能性。変化に気づくことがいちばん!
うつを発症しやすい条件が揃っていて、かつ猫の元気がないとき、うつとほかの病気の可能性を勘違いしてしまうことがあります。
部屋の隅っこで動かずにいる。
目を細めて頭を下げ、背中を丸めてジーっとしている。
こんなときは体に強い痛みがあります。
自由に外出ができる飼い猫の場合、大事故に至らなくても、車や自転車とぶつかってケガをしていることがあります。
毛がじゃまをして見た目ではわからなくても、じつは内出血をしていたりします。
いずれにしても「元気がない」状態に気づくことは猫と暮らす上でとても大事なことです。
イラスト/柴田ケイコ
ほかにも書籍では、フードやトイレなどの「猫との暮らしのコツ」や、不調や病気に関する「医療情報」など、猫に関する285の最新情報が分かりやすく解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。