カラスにチンパンジー、魚まで⁉ 道具を使えるのは人間だけではない/身近な科学

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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。

カラスにチンパンジー、魚まで⁉ 道具を使えるのは人間だけではない/身近な科学 pixta_1953575_S.jpg前の記事「アリ社会がうまく回っているのは、"働かない働きアリ"がいるからこそ/身近な科学(2)」はこちら。 

 

脳の重さと知能との関係
道具を使うのは人間だけ?

人を他の動物から区別する特徴の1つに「道具を使うこと」があります。しかし、道具を使う動物は何も人に限りません。道具を使える動物が数多く見つかっているのです。

カラスにチンパンジー、魚まで⁉ 道具を使えるのは人間だけではない/身近な科学 p020.jpgその身近な例はカラスでしょう。自分で割れないクルミの実を割るのに、行き交う自動車を道具として利用します。固い実を道路に置き、自動車に踏みつぶしてもらうのです。

また、カラスは枝を利用して、木の穴の奥に住む幼虫をほじくり出します。

霊長(れいちょう)類のチンパンジーに至っては、道具の使い方は実に多彩です。杖で川の深さを測ったり、小枝で木の洞穴(ほらあな)にあるミツバチの巣の蜜をすくい取ったりもします。

近年では、貝を割るのに岩を利用するシロクラベラのように、魚も道具を使えるという研究結果が発表されています。

道具を使えることは「知能が高い」ことを示しますが、そもそも知能と脳の重さとは関係があるのでしょうか。

カラスにチンパンジー、魚まで⁉ 道具を使えるのは人間だけではない/身近な科学 p021.jpgこの研究で得られたものに脳化指数(しすう)があります。体重に占める脳の重さを比の関係として表現する指数です。上図のように、脳化指数が大きいほうに道具が使えて知能の高い動物が位置しています。やはり、脳の相対(そうたい)的な重さは知能と大きな関係があるようです。

 

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涌井貞美(わくい さだみ)

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。現在は書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。著書は、『図解 身近な科学 信じられない本当の話』『雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科』(以上KADOKAWA)、『Excelでわかるディープラーニング超入門』『ディープラーニングがわかる数学入門』(以上、技術評論社)、『「物理・化学」の法則・原理・公式がまとめてわかる事典』(ベレ出版)、『図解・ベイズ統計「超」入門』(SBクリエイティブ)など多数。

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『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』

(涌井貞美/KADOKAWA)

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この記事は書籍『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』からの抜粋です。

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