並んだ卵に見るママ恐竜の愛。2トンの巨体でも抱卵できるのはなぜ?/身近な科学

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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。

並んだ卵に見るママ恐竜の愛。2トンの巨体でも抱卵できるのはなぜ?/身近な科学 pixta_6887719_S.jpg前の記事「毎秒250回! ハチが高速で羽ばたけるのは筋肉の伸縮のおかげ/身近な科学(8)」はこちら。

 

卵の殻にあった抱卵(ほうらん)の証拠!
巨大恐竜が卵をつぶさずに温める方法

「体重2トンの恐竜オビラプトロサウルスは抱卵をしていたと考えられる」――。2018年、名古屋大学の研究チームが驚きの研究結果を発表しました。その巨体で、どうやって卵をつぶさずに温めたのでしょうか。

答えは卵の並べ方にあります。恐竜は卵をドーナツ状に並べ、卵のない中心部にうずくまって温めたというのです。整然と並んだ卵の化石を見ると、恐竜の親の愛を感じます。

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卵の温め方は、地面に埋めて太陽光や地熱(ちねつ)で温める方法、植物の発酵熱を利用して温める方法など、抱卵以外にも幾通りかあったと思われます。その中で、オビラプトロサウルスが抱卵していたと考えられるのは、化石の卵の殻の構造にあります。

並んだ卵に見るママ恐竜の愛。2トンの巨体でも抱卵できるのはなぜ?/身近な科学 p033.jpg抱卵する卵の殻には気孔(きこう)があります。気孔とは微小な穴で、それが殻に無数に開いているのです。この穴を通して卵は外界と空気のやり取りをします。名古屋大学の研究チームが調べた卵の化石にもこの気孔があり、それが抱卵の有力な証拠とされたのです。

抱卵のイメージから、恐竜には羽毛が生えていたと想像されます。そうでなければ、ドーナツ状に並んだ卵を抱き温めるのは困難でしょう。鳥は「恐竜の生き残り」といわれますが、そのことが強く印象づけられます。

 

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涌井貞美(わくい さだみ)

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。現在は書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。著書は、『図解 身近な科学 信じられない本当の話』『雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科』(以上KADOKAWA)、『Excelでわかるディープラーニング超入門』『ディープラーニングがわかる数学入門』(以上、技術評論社)、『「物理・化学」の法則・原理・公式がまとめてわかる事典』(ベレ出版)、『図解・ベイズ統計「超」入門』(SBクリエイティブ)など多数。

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『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』

(涌井貞美/KADOKAWA)

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この記事は書籍『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』からの抜粋です。

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