病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。
書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。
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横隔膜の定期的なけいれん
「しゃっくり」
●2日以上続く場合も
「しゃっくり」は横隔膜(おうかくまく)が定期的にけいれんすることによって起こるもので、「吃逆-きつぎゃく」ともいわれます。勢いよく食べたり飲んだりした場合に一時的に起こりますが、その多くは自然に止まるものです。
ただ、患者さんの中には一時的では済まされず、何時間、または断続的に何日も続く場合もあるようです。ギネスブックの記録によると、アメリカ人の男性が68年間もしゃっくりをし続けたと報告されています。
しゃっくりに悩まされるのは世界共通で、息ごらえする、冷たい水を一気に飲む、舌を30秒ほど強く引っぱる、下を向いた状態で水を飲むなどの民間療法が伝わっており、このうちのいずれかを試した方もいるかもしれません。
先述のように、しゃっくりは時間が経てば治まるものですが、治りが遅い場合は注意が必要です。とくに、睡眠中にしゃっくりが出て眠れなかったり、2日以上しゃっくりが続くような場合は難治性(なんちせい)と診断され、何らかの病気が潜んでいる可能性もあります。
たとえば、脳腫瘍(しゅよう)や脳卒中など、脳の疾患(しっかん)による場合や、肺炎や肝臓・食道などに腫瘍ができた場合、心因性の場合などが挙げられます。これらの場合は、原因を取り除かないとしゃっくりが治まりにくいため、検査が必要になります。
しゃっくりが数日以上も連続して続くようであれば、まずは内科で診察を受けてみるのがよいでしょう。