朝起きると突然、片方の耳が聞こえなくなっていた...突発性難聴とは/やさしい家庭の医学

pixta_33906842_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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突然、片側の聴力を失う病気

「突発性難聴」

●発症から1週間のうちに治療を

朝起きると突然、片方の耳が聞こえなくなっていた......。このような症状が、「突発性難聴」の代表的なものです。それまで何の障害もなかったのに、ある日を境にして突然音が聞こえなくなるということは稀(まれ)に起こりうるものですが、実のところ原因はわかっていません。

血液の循環が悪くなったことによって内耳(ないじ)に十分に栄養がいかなくなり、やがて聞こえなくなるという説や、ウイルスが関係しているという説もあります。突発性難聴に罹(かか)った場合、両方の耳が聞こえなくなるということはあまりなく、片方の耳のみが聞こえなくなるというのも特徴の一つです。

一般に、50~60代に多く見られ、男女差はありません。発症前に疲労感を感じたという方が少なくなく、めまいや吐き気、嘔吐(おうと)などが症状として現れる方もいます。

突発性難聴に罹った場合、発症から1週間以内に治療を受けると比較的その後の経過は良好に保てるといわれますので、早期に治療を受けることが必要でしょう。一方で、そのまま1か月ほど放っておくと、治療を受けても治りにくいとされています。

治療法としては薬剤によるものが挙げられます。内耳循環障害の改善を目的とした血管拡張薬や、ウイルス感染に対する副腎皮質(ふくじんひしつ)ステロイドなどです。ただし、前述のように、突発性難聴に関しては原因がいまだによくわかっていない病気のため、これらの薬で全快するとはかぎりません。ゆっくりと症状と向き合うことが必要になるかもしれません。

なお、難聴の種類には、薬剤性難聴(ほかの病気のための薬を用いたことで起こる難聴)や、老人性難聴(加齢とともに起こる聴力の低下)などがあります。薬剤性難聴の場合は、アスピリンやカナマイシン、利尿剤、抗がん剤などが原因の一つともいわれていますので、医師と相談のうえ、薬剤の投与の中止などを考えることになります。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です

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