中高年になると、女性もいびきをかきやすい
いびき人口の男女比はおよそ2:1。女性でいびきをかく人は男性の半数ですが、女性では中高年になるといびきがひどくなる傾向にあります。
そのきっかけとなるのは、閉経です。
閉経でいびきがひどくなるのは、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)が減少するため。
エストロゲンには女性の生殖に関わる機能を保つ働きがありますが、それ以外にも舌筋を緊張させる働きがあります。閉経前の40代からエストロゲンの分泌量は減少し、閉経後は分泌がほぼなくなるため、舌筋が緩んで落ち舌が起こりやすくなり、いびきがひどくなるのです。
さらに、エストロゲンには、お腹の中の内臓脂肪の代謝を促し、お腹に体脂肪をつきにくくする作用もあります。
閉経後、エストロゲンの働きが失われると、余った脂肪は内臓脂肪にも誘導されやすくなります。女性に多い洋ナシ型(皮下脂肪型)肥満から、男性に多いリンゴ型(内臓脂肪型)肥満へとスイッチしやすくなるのです。
リンゴ型肥満では、内臓以外でもあちこちに脂肪が蓄積するようになります。その蓄積先の一つが、舌や気道のまわり。
お腹が内側からせり出すほど太ってきたら、若い頃よりもいびきが起こりやすくなっていると覚悟したほうが良いでしょう。