日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という『8020運動』。この運動の影響もあってか、近年は20本以上自分の歯を保有している人が増えているそう。ですが、その一方で高齢者に虫歯が急増しているというデータも。それらの詳しい内容と歯の健康を維持する秘訣を、宝田歯科医院の院長・宝田恭子先生にお聞きしました。
高齢者のむし歯が急増!約30年で最大2倍に!?
厚生労働省の「歯科疾患実態調査」では、30 代までの虫歯を持つ人の割合は年々少なくなってきているものの、65歳以上については年々増加傾向にあります。
う歯(虫歯)を持つ者の割合の年次推移(永久歯:5歳以上)
8020運動で2人に1人が20本以上の歯を残存!
8020運動が功を奏し、75歳以上で「20本以上歯を保有する」割合は50%以上となりました。(出典:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e ヘルスネット」)
「8020」達成者の割合
残った20本のケアが大事!おすすめのケア術とは?
20本の目標は、「20本あれば咀嚼が可能」という数字です。なんとか残した20本を虫歯などによってこれ以上なくさないため、3つのポイントを参考に日々のケアを心がけましょう。
【ポイント1】オーラルケアグッズ選び
・歯や歯ぐきが弱くなっている方が多いためやわらかい歯ブラシを選ぶ
・口が大きく開けられないためヘッドは小さなものを
・柄は握りやすい太めのものを
・ハミガキ剤は、虫歯予防のフッ素入り
・歯が弱っているため研磨剤フリーがおすすめ
・分量は歯ブラシの1/3ぐらい。つけすぎ注意
【ポイント2】歯間ケアを習慣化
・歯ブラシは鉛筆もちで1本1本磨く。
・歯ぐきが下がり歯と歯の間に汚れがたまりがち。歯間ブラシの併用を習慣化に
【ポイント3】部分入れ歯のケアを
8020運動の達成者が増えたことで、「総入れ歯」使用者(全部床義歯)が減少して、「部分入れ歯」(部分床義歯)使用者が急増し、「部分入れ歯」大国になりました。
入れ歯に残っている菌が虫歯や歯周病の原因となることも考えられますので、入れ歯自体も専用の歯ブラシできれいに磨き、洗浄剤で除菌をしておくことも大切です。
部分入れ歯は、金具で隣接する健康な歯(残存歯)に引っ掛けるように装着します。
入れ歯が動いてしまうことで留め具がかかっている歯に負荷がかかり、最悪の場合、せっかく残った20 本の歯の一部が抜けてしまう可能性も。
お手入れ以外にも部分入れ歯を安定させておくことも重要なポイント。
合わないときには歯科医に相談し、安定剤も利用してみましょう。
補綴物の装着の有無と各補綴物の装着者の割合(令和4年歯科疾患実態調査)
「部分入れ歯」が安定しないときは入れ歯安定剤を使ってみよう
「部分入れ歯」が合わないと思ったら、まずは歯科医院に相談を。
入れ歯を新しく作り替えることなく、現在使用中の慣れている入れ歯を調整することも可能です。
食べ物が挟まって痛みがある場合は、食事のときだけ安定剤を使用するなど試してみてもよいでしょう。
入れ歯安定剤には、クリームタイプ、パウダータイプ、シートタイプ、クッションタイプなどの種類があります。
歯科医が推奨しているのはクリームタイプですが、市販にはさまざまな種類があります。
パウダータイプやシートタイプは短時間利用に。シートタイプは持ち運びしやすく、クリームタイプは少量でもよく伸びて安定し厚みも出ません。
また、ノズルの細いタイプの製品などもあり、量を調整しやすくはみ出しにくいので部分入れ歯の方におすすめです。
本来入れ歯はピタッとフィットするように調整してつくられています。
入れ歯安定剤はよくフィットした適合のよい入れ歯に使うことで、入れ歯を安定させ、よく噛んだり、食べもの挟まりの軽減などが期待できます。
入れ歯がガタつくような場合は、歯科医院で調整してもらいましょう。
「快適フィット処方」のポリグリップがおすすめ!
どの入れ歯安定剤を使うか迷う方には、グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社より2023年9月に発売されたばかりの「新ポリグリップ 安定&快適フィットEX」がおすすめです。
9月11日より全国で発売されている「新ポリグリップ」の新製品「安定&快適フィットEX」
「新ポリグリップ 安定&快適フィットEX」は、入れ歯使用者のなかでも特に多い「食べ物の挟まり」と「歯ぐきへの負担」という2つの悩みに着目した、入れ歯安定剤です。
独自の「快適フィット処方」には、シリーズで唯一ポリアクリル酸(粘着剤)を新配合。
クリームタイプの安定剤が水分を含むと、入れ歯と歯ぐきの間にジェル状の『ショック吸収層』を形成しフィット。
入れ歯で噛んだ瞬間の衝撃を緩和し、歯ぐきの負担を軽減してくれます。