『舌こそ最強の臓器』 (桂文裕/かんき出版)第1回【全5回】
食事から発声、さらに呼吸や体のバランス維持まで、「内臓の鏡」と呼ばれる舌は、私たちの想像以上に多くの役割を持つ「臓器」です。しかし、私たちが舌について知っていることはごくわずか。耳鼻咽喉科専門医・桂文裕先生による『舌こそ最強の臓器』は知られざる「舌」の役割を知り、健康維持に活かすための一冊です。本書から、私たちの健康に深くかかわる舌を使った健康法を紹介します。
※本記事は桂文裕著の書籍『舌こそ最強の臓器』(かんき出版)から一部抜粋・編集しました。
舌は口ほどにものをいう。舌はカラダの不調を教えてくれます
カラダをつくっている細胞は、つねに新陳代謝で入れ替わっています。なかでも、舌の細胞は新陳代謝が極めて速いのが特徴で、3〜7日で粘膜が入れ替わります。
だからこそ、1秒たりとも歩みを止めないカラダのコンディションを、舌の状態はリアルタイムに反映しているのです。
中医学では「舌は内臓の鏡」といわれるように、舌を見れば、その人のカラダの状態もある程度判断できます。舌を毎日見てチェックし、内臓や体調の変化に気づくことが健康維持の秘訣と言えます。「舌は口ほどにものをいう」のです。
正常な舌には、下のリストに挙げたような特徴があります。ピンク色から淡紅色で適度な湿り気があり、白い舌苔が薄く表面を覆っています。
舌を見るときは、口を大きく開けて、舌の力を抜いた状態で大きく出して観察します。飲食は舌苔の色や量に関係しますから、食後は避けるようにしてください。