「白髪や薄毛は遺伝だから仕方ない」はウソ! 老化の原因は「日頃のケア」にあり?/大人髪のトリセツ

年齢を重ねるほど、「髪」に関するお悩みも増えますよね。薄毛や白髪などは「遺伝だから仕方ない...」と諦めていませんか? 実は「髪」の未来は、日頃の生活習慣によって劇的に変わります。そこで今回は髪の研究者・伊藤廉さんによる著書『印象は髪がすべて 大人髪のトリセツ』をご紹介。人の印象を大きく左右する「髪」についての知識を深め、さっそく日々のケアを始めましょう。

※本記事は伊藤 廉著の書籍『印象は髪がすべて 大人髪のトリセツ』から一部抜粋・編集しました。

【前回】「髪の老化」は20代後半から!? あなたの「髪の老化度」をセルフチェック

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白髪や薄毛は遺伝のせい?
諦めるのはまだ早い!

「親父も叔父もハゲだから、僕も将来ハゲるかもしれないんだよね」

「うちは若白髪の家系で、私も学生時代から白髪が目立つの」

皆さんも一度は、このような会話を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

特に男性の場合、身近な血縁者に薄毛の方がいると「ひょっとして将来自分も......」と、密かに心配している方がいるはずです(実は、私自身もそうでした)。

結論から言いましょう。

現在の研究では、薄毛や白髪は、遺伝要因よりも、後天的要因の影響のほうが強いと考えられています。

遺伝子はタンパク質の設計図にあたるものです。

私たちの身体はタンパク質でつくられていますから、両親から半分ずつ設計図を受け継ぐことで、親子はどことなく顔立ちが似てきます。

もちろん、髪質にも遺伝は関係します。

これまでにわかっているのは「生まれつきのクセ毛」には、遺伝的な要素が比較的強く現れることです。

「天然パーマ」と呼ばれる、クルクルとカールした髪や、全体的にうねっているようなクセ毛ですね。

「エイジングによるS字型のうねり」とは別ものです。

この生まれつきのクセ毛に関係しているのが、「EDAR遺伝子」です。

EDAR遺伝子に変異があると、約50%の確率でクセ毛が発生します。

つまり、親がクセ毛であれば、子どもがクセ毛になる確率は「2分の1」ということですね。

それでは、薄毛や白髪に関して、遺伝はどのくらいの確率で影響していると思いますか?

アジア人男性で、薄毛が遺伝する確率は約50%

日本人男性でハゲている人は約3割に過ぎない

アジア人男性を対象に行った研究において、遺伝的に壮年性脱毛症を発症する確率は「約50%」という報告があります。

一方でイギリス人男性を対象に行った同様の研究では、壮年性脱毛症を発症する確率は「約69%」でした。

なぜ国や地域によって、このような遺伝的確率の差が発生するのかまでは、今のところわかっていません。

食生活や気候、生活習慣など、国ごとに異なる要素をすべて加味したうえで、科学的な検証をするのはとても難しいのです。

少なくとも、アジア人男性の場合、親が薄毛だと子どもも薄毛になる確率は2分の1。

それに対して、イギリス人男性の場合は7割近い確率ですから、日本人男性はイギリス人に比べると、「薄毛に関して遺伝的な要素は少ない」と言えそうです。

遺伝学的な視点とは別に、統計学的な視点で考えてみましょう。

日本人男性で、壮年性脱毛症を発症している人は約30%とされています。

男性の人口全体で考えたときに「実際にハゲている確率は約3割」ということですね。

これらの研究から導き出されるのは、薄毛には遺伝的要因も関係しているけれど、「後天的な要素が強く関係している」ということです。

ホッとした男性も多いでしょうか?

ちなみに、男性に比べると女性の薄毛と遺伝の関係は研究が進んでいないのですが、女性の場合も「薄毛に後天的な要素が強く関係している」ことがわかっています。

毎日のヘアケアや食生活などが、薄毛に影響を及ぼしていそうです。

 

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