足の血管が浮き出る、ボコボコしている、むくみがひどい...。それらの症状は「下肢静脈瘤」が原因かもしれません。放置しておくと重症化する場合もある「下肢静脈瘤」ですが、軽症のうちはセルフケアで何とかなります! そこで今回は"血管の名医"である広川雅之先生の著書『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』をご紹介。自分の症状はセルフケアで治るの? 放っておくとどうなるの? 別の病気の可能性は? 「下肢静脈瘤」に関する疑問を名医が徹底解説します。
※本記事は広川雅之著の書籍『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』から一部抜粋・編集しました。
【前回】足のむくみは「スキマ時間」に改善! 効果が高い「ちょこっとスクワット」を紹介
やさしくさするマッサージで血流を促し、足のむくみをとる
セルフケア3本柱の2つ目、足のマッサージについて説明しましょう。
肩こりがひどいときや全身に疲れがたまっているとき、街のマッサージ屋さんに行くことがあると思います。
お店では、もむときの強さを希望でき、疲れていると「もっと強く押してください」などと注文すると思いますが、下肢静脈瘤のむくみを改善するためのマッサージは、強くもむ必要はありません。
ふくらはぎが疲れていたりすると、ついつい力を入れて押したくなりますが、むくみを解消するためには、手のひら全体を使って足をさするようにしましょう。
下肢静脈瘤を改善するマッサージは、「リンパドレナージ」がもとになっています。
リンパドレナージとは、フランス語で「リンパ排出」のこと。
おもに、がん治療の合併症である「リンパ浮腫」に対処するために医療現場で行われています。
やさしくさするようなマッサージで、リンパ液の循環と老廃物の排出を促します。
街中のリラクゼーションサロン等でリンパマッサージを標榜しているところがありますが、ほとんどの場合、医学的根拠がない自己流のマッサージです。
正式なリンパドレナージは、医師や看護師、理学療法士、作業療法士など国家資格を持つ者が特別なトレーニングを受けて行っています。
ここで紹介するのものは、足を下から上にさするだけなのでデスクワークの合間や、家で床に座ってリラックスしているときに行ってもいいでしょう。
さらに効果が出やすいのは、入浴後の体が温まっているときです。
入浴時に湯船につかりながらマッサージするのもおすすめです。
下肢静脈瘤ではなくても、足がだるかったり、むくみが辛いという方もぜひ行ってください。
足マッサージのやり方
昼間と夕方、または夜など1日2回行いましょう。ひざから上と、ひざから下に分けてさすります。
(1)イスに浅く腰掛けるか床に座って、片方のひざのやや上に両方の手のひらを当てて覆います。
(2)ひざから足の付け根に向かって、手のひら全体を足に密着させるように太ももをさすります。付け根まできたらひざに戻り、再び足の付け根までさすります。これを1分ほど繰り返します。
(3)(1)と同じ足の足首に両手を当てます。
(4)足首からひざに向かって、太ももと同じようにふくらはぎをさすります。手のひら全体を密着させ、皮膚の表面をこするような感じで、一方通行で動かしましょう。これを2分ほど繰り返します。片足が終わったら、反対側の足も同じように太もも→ふくらはぎの順番に再度マッサージを行います。