足の血管が浮き出る、ボコボコしている、むくみがひどい...。それらの症状は「下肢静脈瘤」が原因かもしれません。放置しておくと重症化する場合もある「下肢静脈瘤」ですが、軽症のうちはセルフケアで何とかなります! そこで今回は"血管の名医"である広川雅之先生の著書『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』をご紹介。自分の症状はセルフケアで治るの? 放っておくとどうなるの? 別の病気の可能性は? 「下肢静脈瘤」に関する疑問を名医が徹底解説します。
※本記事は広川雅之著の書籍『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』から一部抜粋・編集しました。
【前回】足のボコボコ、血管のウネウネ...もしかしたら「下肢静脈瘤」かも。セルフケアで治るの?
下肢静脈瘤セルフチェック
自分の足の状態をチェックしましょう。
必ず立った姿勢で、手鏡や姿見でよく観察します。
【準備】
短パンなど足が見えるボトムをはき、1~2分立つ。その後、足の付け根から順にチェック!
【確認すること】
・血管が浮き出ていないか。ボコボコしていないか。
・血管が赤く透けて見えていないか。
先生、下肢静脈瘤のこと教えてください
里見さんは60代の主婦。
足に血管が浮き出ていることを娘に指摘され 、テレビで見た下肢静脈瘤では? と思い、広川先生のクリニックにやってきました。
むくみやだるさ 、見た目の悪さはどうして起こる?
広川先生 「今日はどうされましたか?」
里見さん 「娘に『お母さんの足、血管が浮いてあざみたいになってるよ』といわれたんです。前にテレビでやってた『下肢静脈瘤』じゃないかと思って心配で」
広川先生 「血管が浮いているのはいつ頃からですか?」
里見さん 「わかりません。自分の足の後ろ側なんて見たことがないので、気がつかなくて」
広川先生 「足のむくみやだるさなど、気になる足の症状はありますか?」
里見さん 「足はむくみますね。重だるいときもあります。パートでレジ打ちをしているから、立ち仕事のせいかなと思って。それと、関係ないかもしれませんが、ときどき寝ているときに足がつって、目が覚めてしまうこともあるんです......」
広川先生 「それは辛いですね。立ち仕事の方のむくみのお悩みは多いんですよ。では、足を触らせてください。けっこうむくんでますね」
里見さん 「はい。靴下の跡がくっきりつきます」
広川先生 「血管が浮いているのは下肢静脈瘤ですね。触ったところ、けっこうむくんでいます。これも静脈瘤のせいだと思います」
里見さん 「やっぱり下肢静脈瘤なんですか」
広川先生 「下肢静脈瘤は間違いありませんが、どの静脈が問題なのか、今感じていらっしゃる足の不快な症状が静脈瘤のせいなのか、詳しく検査をする必要がありますね」
里見さん 「どんな検査ですか?」
広川先生 「超音波検査、エコーと呼ばれている検査です。おなかの検査でも行う、ゼリーを塗って、皮膚の上から機械を当てる検査です。まったく痛みはないので、心配いりませんよ」
里見さん 「どのくらいの時間がかかりますか?」
広川先生 「見落としがあってはいけないので、専門の検査技師が30~40分ほどかけて、両足をじっくり診断します」
おもな診療の流れ
【問診】
・どのような症状があるか
・どうしたいか(見た目や症状の改善)
・生活状況
↓
【視診】
・足のむくみや静脈瘤の状態
・湿疹や色素沈着など皮膚の状態
↓
【触診】
・足のむくみの程度
・皮膚の硬さ
・熱感
・痛みがあるか
↓
【超音波(エコー)検査】
・弁の異常の有無
・静脈の走行や太さ
↓
【下肢静脈瘤を診断】
・下肢静脈瘤があるか否か
・下肢静脈瘤の場合、軽症・中等症・重症のいずれかを診断
↓
【セルフケアor根本治療】
軽症であればセルフケアを指導。根本治療(血管内治療等)は医師の判断のもと、患者の意向にそって行う