50歳を超えると特に気になる「将来の認知症」。年齢とともに認知症になるリスクは上がり、65歳以上では7人に1人が発症するというデータがあります。そこで、日本認知症予防学会理事長の浦上克哉先生に教えていただいた「認知症を防ぐための12の方法」の1つ、「人と話す」効果についてご紹介します。
【認知症を防ぐ方法⑦】人と話す
人と会って会話をするとき、相手の話している内容を理解し、自分で言葉を選んで返事をしなければなりません。
会話のこうしたやり取りが、脳の働きを活発にするのです。
国立長寿医療研究センターの調査では、社会とのつながりが多い人の方が、認知症になりにくいことが分かっています(下図参照)。
社会的なつながりが多いほど認知症のリスクが減る
社会的なつながりが多い人(5点の人)は、0~1点の人に比べて認知症の発症リスクが46%減。
社会的なつながりの得点
「配偶者がいる」「同居家族との支援のやりとりがある」「友人と交流している」「地域グループ活動に参加している」「就労している」の5項目について、「はい」と答えた場合を1点、「いいえ」と答えた場合を0点として集計。合計点数が「0~1点」の人の認知症の発症率を1としたときの発症率。
出典:J Epidemiol Community Health,72(1),7-12.doi:10.1136/jech-2017-209811を基に作成。
反対に、家に閉じこもりがちであまり会話をしない人は、認知症のリスクが高まる傾向に。
「友達と会って話をしたり、地域のボランティア活動などに積極的に参加すれば、コミュニケーションも取れて予防にもなります」
取材・文/松澤ゆかり 撮影/木下大造 イラスト/落合 恵